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『痛みと慈悲に報いるならば Mebius Ring』

痛みは生を実感させてくれる? 
ならば苦しみを与えよう! 
全ての人間に等しく不幸をばら撒こう! 嗚呼!なんて神は慈悲深いのだろう! 
感謝しろ!感謝しろ! 
貴様ら下賎な人間にはもったいない神の御魂であるぞ! 
頭を垂れて感謝しろ! 
地に身を伏して感謝しろ! 
死して朽ちて死を見つめ! 
生きてる事を実感しろ! 
神の奇跡で生きている事だけを実感しろ! 
生きている事を体感するためにお前は生きている! 
ただその為だけにお前は生きている! 
苦しみ抜いて生き抜いて、死んでお前は救われる! そして初めて“神の御慈悲”が報われる! 
神に慈悲に報いるためにも我々は、苦しみを重ねて生きるべきなのだ! 
何て麗しい宗教愛だろう! 
神は人の事を思い! 
人は神に報いようとする! 
循環し矛盾するメビウスの輪のように! 
神と人とが織り成す矛盾だ!
私達は互いを傷つける事で神に賛歌をささげ合うのだ! 
殺しあえ殺しあえ! もっと殺しあえ!
きっとその痛みは何処までも深く生きてる事を教えてくれる! 
神の奇跡を知らしめる! 
なんと素晴らしい世界だろう! 
神様の自己満足に付き合う我々はなんといじらしいんだろう! 
全ての痛みに意味はある! 
全ての死に様に意義がある! 
神を満足させられるならばそれだけで価値がある! 
よかった! 嗚呼、よかった! 
この苦しみに満ちた世界にはそんな意味があったんだ! 
たったそれだけで世界は救われる! 

お前のその死に! 意味はある!





ッハッハハハハハカカカカカ・カ・カカゲゲゲゲヒャヒャヒャヒャ!!!!!!!

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妄想詩篇 / COMMENT:0 / TRACKBACK:0
『矛盾する螺旋』

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鈴村健一坂本真綾

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「とりあえずカテゴリとして登録してある以上、なんらかのレビューを行わない事にはお話として成立しないと思ったので今回はコレについて騙ろう」

「漢字間違ってますよ。……まぁ貴方の場合、大体あってる気もしますけど」

「その通り。それはそうと当ブログは万人に解り易くレビューするようなサイトでではない。というか、そんな気はさらさら無い。もう既に誰も彼もがこの作品を正しく評価して、まさしく語るべき言葉で持ってこれを正当にレビューしているであろうと“思っているから”だ」

「じゃああなたがこれを語る理由ってなんですか……」

「そうだな、しいて言えば俺がコレを語ることに意味は無い。所詮全てが電子の藻屑だ。俺の言葉には10個分の電子の価値も無い。ネットってのは広大無辺だからこそ、その中の99.9999%は無意味だ」

「全世界で600人ぐらいの人間の言葉にしか価値が無い計算になりますが……」

「まぁどうでもいいな。この辺の話は」

「じゃあすぐにでもレビューしてくださいよ……」

「まぁそう呆れるな。自分の無価値を理解する事は悪い事じゃない……さて、この作品。今までの劇場版・空の境界と比べると明らかに長さが違う。まさしく、劇場版という名前にふさわしい長さだ」

「そういえば今までのはそんなに長くなかったんですよね」

「ま、今までのもそうだが、今回映像化された章は原作でも前編後編に分かれているぐらい長い話なんだ。もともとこれを映画一本分に出来るかどうかも個人的には疑問といえば疑問だったんだが、これはいい意味でちゃんと映像化してたな」

「へーそうなんですか」

「とはいっても、勿論色んな部分をはしょっている。この辺は原作未読の人間には関係ない話といえば関係ないんだが……そもそも原作を知らないときついアニメであるのも事実か。元々この作品は時系列を弄くってある作品ではあるんだが、この矛盾螺旋では更に時系列をごちゃごちゃにしているんだ。一回視ただけで全て理解できるのは間違いなく原作を知っている人間以外ありえない」

「ま、初めから原作読んで全て知ってるから映像見ても全て理解できるのは当たり前なんですが」

「それもそうだな。さて、今回時系列を弄くっている事にもちゃんとした理由がある。……といってもほぼ表現手法としての必要性によるものかナァ。話の流れを別けるとするならば大まかに言って巴の視点である前半、幹也の視点である中篇、式が目覚める後半、といったところか」

「それって効果的な表現だったんですか?」

「個人的には結構面白かった。中篇では意識的に式の姿が入らない構図で話が進められたりな。後半、式が目覚めるシーンはそれまで式の姿が長い間抜け落ちていただけあってなかなか綺麗に演出できたんじゃないかと思う。普通にやってたんじゃたぶん、あそこまでの登場シーンは出来なかったんじゃないかな」

「なるほど」

「劇場版、まぁ映画一本分の長さの中で必要なのは、如何に時間内で話を完結させ、最大限の演出効果を出し、映像を魅せるかと言う事だ。その中でみんなが色々とアイディアを出したりして道を模索していく。映像作品における文法はほぼ決まったモノがあるにしても、結局個別の作品に対しては一つ一つ手探りで探していくしかないのさ」

「まぁその演出が時として観客を置いてけぼりにしたりしてしまうんでしょうけどねぇ」

「まーそれはしょうがないな。なにも製作者側は失笑して欲しくてモノを作っているわけじゃない。だが、予想通りに全てが上手く作れるわけでもない。完成された作品に人々は100%を求めるが、製作する人間にとっての100%ってのがどれほど大変な労力かそれを解ってて求めているのか云われれば、それはありえんだろな」

「ありえませんか」

「創る苦しみを知っている人間はそれ故に完璧を求めない。100%を求めるのは常に、“その道の素人”だ。その意味ぐらい解るだろ?」

「あーソレはそうかもしれませんねぇ……」

「ま、それでも俺だって人間だ。100%とは云わなくても作品に対する批評ぐらいはするさ。まず原作の魅力を100%表現できているかといわれればそれは……まぁ無理なんだけどな。原作が小説である以上、“小説であるメリット”を十分に活かした表現は、映像としては表現しにくい」

「というか、表現手法が全然違う以上、それらは結局“表現できるわけが無い”んですよね」

「そう。文章で書かれた物語と絵で描かれた漫画、映像で見る作品はもはや全然違う表現手法だ。それらはそれぞれに於いて独特のメリットが存在する。小説の魅力を映像で100%伝える事は不可能だ。表現不可能性ではない、“物理的”に無理なんだ」

「物理的なんだ」

「それぐらい大きな、いや、越えられない壁があるということさ。……さて、他には、例えば演出としては正しくても上手くいかなかった部分とかな。燕条母と父が式の前で口論するシーンとか。あれは演出としてなるほど正しいのだが、作画の関係か、あまり上手くはいってなかった表現になる」

「確かにあの部分はちょっと上手くなかったですね……」

「カチカチガチ。ま、細かい点を上げればきりは無い。評価すべき点も評価できない点も、な」

「まーだいたいはそんなもんでしょうねぇ。というか、普通に飽きたんでしょうが」

「最後に、時系列を意図的にごちゃ混ぜにしているこの作品だが、それ故に二回三回と見ることで新たな発見をする事ができる、と思う。例えば、橙子の猫型の使い魔によってアルバがやられそうになるシーン。その前の部分が、“その後の部分”と入れ替わっているのだ。これは多分、一見では気が付かないと思う」

「へー……でもその時系列のいじりにはなんか意味はあるんですか?」

「特に無いな。そもそも気が付かないんだから意味も何も無い。ただのお遊びだ。気が付いた人間がにやりとする程度だな」

「…………ふーん」

「しかしなんというか、戦闘シーンには毎回力が入ってるな。少々やりすぎな気がしないでもないが。マンションの廊下から人形が叩き出されるシーンはちょっと見方を変えるとコントだ」

「酷ッ」

「ま、ソレを補って余りある魅力がこの映像作品にはある。式が目覚めるシーンなど、少し鳥肌が立ったぐらいだ。……荒耶との対決の結末は、それこそ映像を見るか小説を読むかして確かめてもらえればいいと思う」

「なるほど…………ん、あれ? 今日はこれで終わりですか?」

「終わりだけど?なに」

「いや、ほら、オチが無いんで……オチつけないとあなたケチが付くでしょう?」

「確かに落ちがなかったな。よし、じゃあ取って置きのオチを云おう……それは────」

「────それは?」


「アルバ…………魔術師なのに一回も魔術使ってねぇ!!!」


「…………はッ!?」

そんなオチ

映像偽録 / COMMENT:0 / TRACKBACK:0
『夕日を視るこの眼は理性』

P1000135.jpg

「あらゆる感情は感傷だ。それは自分自身を慰めるもの、自分の考えを正当化するもの、自分の想いを理想化するもの。心の中にあるのは欲望だけで、なにもない」

「でも、人は自分を省みる事ができる。自分が間違っている事を認める事ができる。自分の心以上に、世界というものが存在する事を認める事ができる。それはただの欲望ではないのではないのでしょうか?」

「世界が美しいと思うのも、“自分が”世界は美しいものであると思いたいからだ」

「人が、自分自身を必要以上に攻撃し傷つけるのも、その人が望んだ事なのですか?」

「自傷ですら結局は感傷だ。自分以外に価値を置けば、必然的に自分自身の価値は少なくなる。自己嫌悪をするのは自身が理想とする世界に押しつぶされそうになるからであって、本当に自分が嫌いだからではない。世界の方に重きを置くのは当人の勝手であり、要求だ。人間は、すべからく自分の意志で世界と付き合っていくしかない」

「そんな生き方をしてしまう人が、何故いるのでしょうか」

「まじめな人間ほど世界の事を考える。真面目であればある程に、『世界と自分』の間にあるギャップを埋める事ができなくなる。適当にこなす事を良しとしなくなる。真面目に生きようとすればするほどに、世界はそいつを追い詰める」

「そんな場合はどうすればいいんでしょう」

「知らんな。知りようも無い。どの道さ、それは当人の問題なんだよ。一般的な、解り易い、誰でも実行できるそんな回答などまだ在りはしないんだ。その中にある本当の問題は十人十色であり、その解答もまた三者三様。人間、この個体が世界との間にある溝を埋める為の延々と続ける作業こそが、生きるって事だ」

「酷く陳腐な話ですけどね」

「陳腐で無い人生論など聞く価値は無いよ。突拍子も無い人生論を聞いて何を得られると言うのだい。輪廻転生? 前世? 来世? スピリチュアル? 実に突拍子も無い。それはただの“救い”であって“人生の解答”じゃない」

「救済を得られるならばそれでもいいんではないのですか?」

「救って欲しければ救済してもらえばいい。ただ、救済を得る事と、人生を生きる事は別物だと言う事さ」

「そう違わないような気もしますけれど……どうなのかなぁ」

「救済されたければ爆弾を抱えて敵地に飛び込めばいいんじゃないか? それとも100万円の壷を買うか? 毎日礼拝を欠かさなければどうだ? 好きにしろ。それでお前の心が満たされるならば“しかたがない”」

「しかたがない、ですか」

「他者から与えられた命令をこなすだけで自分の価値を見出せるのか。与えられた救済を持ってお前の人生は完結するのか。それは本当に、お前がやるべき事だったのか。……自分の価値を自分で見出さないならば、そんなものは動く屍だ。神? 預言者? 残念ながら私は“理性論者”であって神だのなんだのって話には興味が無いんだ」

「理性論者……ってなんですか?」

「考えろ。考えろ。考えろ! この1500gの脳髄が全ての答えを導くまで考え続けろ! 魂とは!心とは!感傷とは! 遍く意味をこの理性で持って指し示せ! 信じるにたるはこの脳髄で、信じるべきはこの理性だ! 突き詰めろ、突き詰めろ、突き止めろ! お前が生きる意味を! 自分が生きるべき意味を! 残すべき存在を!

────お前は今、何を考えている?」

「…………普通に引いてます」

「まぁなんだ、感情ってのはコントロールが難しいんだ」

「感情的になって言葉を巻き散らかすから収拾が付かなくなるんですよ」


「嗚呼、そいつは全くごもっともで」


何も考えずに文章は書くもんじゃない。

雑記断片 / COMMENT:0 / TRACKBACK:0
『イデアライズ』

いつからなのかは もう思い出せない

墜落する夢を 何度も視る

今更もう 悪夢だとも思わなくなった

その夢は いまでもまだ続いている

いつからなのかは もう思い出せない

二十歳過ぎてから 何度も視る

墜落する事に 何の意味が

今更もう 考える事も諦めた

そんな夢は いつまで続くのだろう


最近よく 昔の事を思い出す

補助輪の無い世界 裏庭の穴ぼこ

誰も居ない教室 雨の中走り抜ける

夜の雪に埋もれる ただ海を眺めてる

ただ走り回っていた あの頃の過去

遠いとは思わないけど もう届かない

忘れ物が なんなのか思い出せない

忘れ物が あったのかすら解らない

でもたぶん 私は何かを

あの頃に 置いてきてしまった


だから 今更 立ち竦んでいる

だから 今更 立ち止まっている

いつからなのかは もう思い出せない

子供の頃から今まで 考えた事もなかった 

生きていく上で 必要なものなど

今更もう 取り戻す事もできない

この悪夢は いつまで続くのだろう

妄想詩篇 / COMMENT:0 / TRACKBACK:0
第21我『株と資本のゼロサムゲーム』 zero sum game the fund the stock

窓の向こうでは、電光掲示板に映し出された数々の数字が目まぐるしく変動していた。

此処は証券を取引する場所のすぐ目の前の喫茶店。窓の外ではその取引内容が掲示板に忙しなく流され続け、一心不乱にそれらを眺めている人たちが居た。私たちの方はといえば、その数字たちを見るでもなくただ雑誌を広げたりしながら各々が好きに飲み物を飲んでいたりするだけだった。

その内に私は目の前に広げた新聞の中に変わった文字が躍っているのを発見して一人驚いた。

魍魎ノ類 / COMMENT:0 / TRACKBACK:0
『先日土曜日の記録』

そんなこんなで先日、寄り道ついでに秋葉原にまで色々と買い物をしに逝ってきましたヨ。
そしてほぼ初めてのデジカメの活躍の場が!
その前にツクモ電気で16GBのSDHCを購入(3000円)。これがないと今回の旅は始まらないのであった……

そしてさっそくメモリーカード挿入。ちゃんと認識しているみたいなので一安心。相性がどうのこうので説明されると素人は不安になるのですよ店員さん。

という訳で記念すべき秋葉原一枚目の写真をパシャリ

a.jpg
考えてみるとワシの場合、資料用とかテクスチャー集めに利用するつもりで買ったのだから、ソレっぽいものを撮るようにしないと駄目なのであった。
まぁどの道、最初は上手く撮れる筈も無いので色々と試しながら撮影行脚。

b.jpg
買ったデジカメの性能でだいぶ広く写真が撮れる。これは上下トリミングしてるけど
そこそこいい感じ。でも資料にはあまりならないかも

c.jpg
道の反対側からソフマップ。よく見ると看板でけーな……
昔よく利用していたゲーム売り場がなくなっていた。いつの間にー

d.jpg
ただの写真ばかりじゃ意味が無いと思って植木を撮影。何やってるんだと周りの人は思ったに違いないが、撮り始めると意外とそーゆーのはどうでも良くなってくる。
カメコ魂に火がついた……とか

e.jpg
資料用にと思って一枚。何処? とか何故? とか自分でも思う。
まぁビルの外壁は同じようなものは一つも無いって考えれば資料にならなくも無いか?

f.jpg
これもビル。資料になるかなーッと。問題は自分があまりビルの並んだ風景を描かないって事。
しかし見てる分にはこーゆーのは楽しいかもしれない……

g.jpg
秋場と言えば個人的にはコレ。コレ見ただけで秋場だナァって思う
きっと秋場に怪獣が現われたらそっこうでコレを壊しに来るに違いない。
東京タワー的な意味で(ビジュアル的にショボイケド

h.jpg
横断歩道の途中から一枚。これだけだとあまり秋場って感じじゃないのが不思議
やっぱりさっきの(ry

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ぶらぶら歩きつつ一枚。川があれば美味しい写真が取れるかと思ったけどそんな事はなかったぜ!

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その時撮った秋場での最後の一枚。ちょっち暗いけどお気に入り。
資料にも何にもなら無いけどこういうのも楽しい。

この手で空を切り撮る感覚。

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その後、新宿に移動。すっかり暗くなっている。
設定一つでこの光の感じを出す事ができるのは非常にありがたい。
流石2万のデジカメ。……いい感じだぜ

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美女の上にかに道楽。何気なく撮ってみたけど意外と絵になっているのはわしの腕がいいからではなく街のデザインそのものが優れているから。

n-tiltshift.jpg
微、ミニチュア風味。店に引き込む勧誘のおにーちゃんがいっぱいな街だな
わしはあんまり都会に出る必然性を感じない人間だから行く度に人多いなと思う

m.jpg
看板。なんかの資料になればと思ったんだけど……なんに使うつもりなんだ自分は

o.jpg
レンガ。もはや資料に(ry
光の当たり具合を全く考えて無いのでテクスチャーにもならない
まぁこうやってひとつずつ覚えていくんだろう

p.jpg
何コレ。メカメカしい感じがいいと思って撮ったらしい。
使い道など無い

q.jpg
新宿駅前。暗いなー

r.jpg
そしてお誘いを受けた場所に集合。ほぼ全てに人にはじめまして
うーん、場違い

s.jpg
飲み屋に到着。普通に手がぶれてた。薄いデジカメは兎に角、気をつけないとすぐにぶれる

t.jpg
そこで飯くい。酒も入ってもはや速攻で思考力低下。
肉美味かったです。ビビンバ微妙でした。お疲れ様でした。
たまにはこうやって酒飲むのもいいナァと再確認。引き篭もりイクナイ

雑記断片 / COMMENT:0 / TRACKBACK:0
『最後の記号 The Last Hope』

「人間が最後に手にする記号。究極にして至高の記号。唯一つ残された人類が希望。……もしそんなものがあるとしたら、それは一体我々に何を魅せてくれるんだと思う?」

「…………なんの話ですか、それ」

「簡単な話だ。この人類が最後に手にするもの。この文化が最後に生み出すもの。この認識が最後に目にするもの。それは全でりながら唯一。“最後の認識”」

「意味が解りませんが」

「なぁ、この人間が認識する世界ってモノはすべて記号なんだよ。総ては概念の発露であり、連結であり、総合なのだ。あらゆるものは記号によって構成された記号。実在そのものを認識している人間はいない。……いや、違うな。実在そのものだけでは人間はそれを認識できないんだ」

「説明する気無いでしょ」

「全ては“記号化”による認識だ。認識そのものが記号化であるといってもいい。鈍い光沢を持つものが金属であると人間が思うのはそれが記号だからだ。実際の金属と、“絵に描かれた鉄”を同じ『材質』であると人間が認識できるのは、人間がそれら金属を示す特徴を“記号化して認識している”からだ。絵に描かれた鉄は実際の金属では全く無いのに!」

「あーなるほど。確かにそれはそうなのかも知れませんが……」

「同様に、全ての認識は記号の連結と総合によって発現されるものだ。……さて、人類の言語的進化、文化の総合的純化、それら全てはこの“記号化の歴史”である。人間は学習と発見をこの記号化と共に歩んできた」

「はぁ……それは具体的にどういう?」

「人間の言語において、未だに心臓を現す単語が“心”を示すように。呼吸をさす言葉が“命”を意味するように。全ては現存する記号に更に別の解釈を当てはめ、別の意味を与え新しい記号を創出する事だ。人間の言語がそう進化してきたように、人間の“意識”もそれをなぞる様に進歩した。意識が作り出してきたこの文化も同様に、だ」

「うーん、言語の進化が意識の進化だ、という話には取り合えず納得できるとしても、意識と文化が同列にして進歩してきた、というのはちょっと言い過ぎじゃないですか?」

「多少暴論になるが、言語……記号と文化はイコールだ。文化は全て、新しい記号の創造主であり守り手である。新しい記号的芸術を作り出し、その記号的技術を継承していく事を我々は“文化”と呼んでいる。人類が持つ今現在一切の全てが“記号化された観念”だ」

「うん……はぁ、まぁ、なんとなく、理解しましたけれど」

「そして科学ですら、結局は『記号化』の担い手でしかない。それらは記号化と呼ぶにはあまりにも複雑な体系だが、科学の進歩が“新しい言葉と概念の創造”であるならば、それらもまた既存の記号を組み合わせて生み出された概念、記号であるのさ。量子テレポーテーション、カルケード、セントラルドグマ、、クオリア、etc...」

「科学ですら記号化……ですか? それはなんとも──理解しかねますが」

「新しい言葉や意味を生み出さずに進化する概念など無い。なにより記号化そのものが人間の認識を推し進めるものであるならば、記号化されずに発展する分野も無く、それによって生まれる技術などもまた無い」

「うそ臭いですけどね」

「さて、今現在此処に至っても人間は“世界の記号化”を止める気配を見せない。記号は量産され、新しい認識を我々にもたらしている。その流れは留まる事を知らない」

「しかし一口に記号化といっても……例えばなんですか?」

「此処に一つのいわゆる“萌え絵”がある」

「二次元女子ですね。……可愛いじゃないですか」

「お褒めに預かり光栄の極みだよ」

「って自分で描いたんですかこれ!?」

「例えばこのキャラが萌えの粋を結集して生み出された“記号”であると仮定しよう。これは萌え記号を幾つも組み合わせる事で創られたキャラだが、同時にこれそのものが一つの『記号』“にもなる”」

「キャラそのものが一つの記号……? ですか?」

「そう。このキャラそのものが記号。……解らないか? じゃあもっと解りやすくしよう。このキャラの名前を仮に『ふみタン』としよう。そうした場合、このキャラを知っている人間が『ふみタン』という文字を見たらどう思うと思う?」

「それはまぁ……そのキャラを思い浮かべるとか──」

「その通り。つまり『ふみタン』は“この絵”という認識を与える“記号”な訳だ」

「あぁ、なるほど……記号の集合が更に一つの記号として機能する、と……」

「そう。まぁ残念だが、全ての記号がまた人間個人による学習によって認識へと昇華されるこの世代においては、何も知らない人間が『ふみタン』という文字を見てもなにも思い浮かべる事が出来ないのはしょうがないんだけどな」

「はぁ……まぁこんな認識は持たない方が云いといえばいいと思いますが……」

「萌えを舐めるな。じゃなかった。つまりまぁそういう事だ。同様に新しい記号の創出も記号の新しい連結方法であり、結合の組み合わせなのだ。……さて、じゃあ此処で一つの疑問が思い浮かぶ」

「何も思い浮かびませんが」

「想像力が足りて無いね。あんたさ、この調子でいくならば“文化が最後に生み出す記号”ってなんだろう、とか思わないのか? まぁそれは別にいい。俺が最初から云いたいのは、この“最後の記号”“最後の認識”のことなんだよ」

「あぁ、そういう意味だったんですか……気が付きませんよ、そんな事」

「さて、文化が記号の連結を繰り返す事で新しい概念、意味=記号を作り出すならば、最後の最後に生まれえる“記号”があると思われるのは当然だ。じゃあそれは一体なんだ? その記号は、一体我々に“何をもたらしてくれるんだ”?」

「…………さぁ。解りません」

「結論から言ってしまおう。────最後の記号はね……“認識の消滅”を意味するんだよ」

「認識の、消滅?」

「そう。あらゆる記号を結合させ、最後に生み出される記号。“ソレ”はあらゆる認識の事であり、あらゆる意味を持ち、あらゆる感情を想起させる。あらゆる言葉を超越し、あらゆる存在の境界を消し去る言葉だ」

「……なんです、か、それ」

「最後に生み出されるものは究極だ。それ以上が無いという意味で。ならば、それは完全言語、完全記号、完全芸術。それを認識するだけで人間はもうそれ以上、“何も得る必要は無くなる”」

「なんて話ですか……」

「何も得る必要が無くなった認識は消滅する。満たされるのだ、全てに。あらゆる感情を手に入れ、全ての概念を手に入れ、全てを手に入れる。完全なる合一。その瞬間、世界は自己と同一化し、神となり、消滅する。この悲しみで満ち満ちた認識が至るニルヴァーナ。それこそが“人類の救済”」

「そんなもの……あるはずが……」

「今はまだ、ない。今はまだ無いが、いずれ生み出される。この文化が、人類が、認識が究極へと至ったとき、その言葉は生み出される。その音は“オーン”(世界原音」

「オー……ン?」

「或いは究極の神の名。“テトラグラマトン”(神聖四文字

無限にして全ての基本。“ト・アペイロン”(無限定基体」

「…………」

「それは神の名。原始の音。全なる認識。それを知ったとき、人類は救済される」

「あぁ、オカルトの話だったんですね」

「違うな。これはSF(サイエンス・フィクション)だよ。……ま、高度に発達した科学が魔法と区別がつかないならば、SFもファンタジーも、最後にいたる点は同じだがな」

「でも、そんなものはありえないでしょ。今もこれからも」

「確かに。その道のりは遠く険しい。だが無理であるとも思わない。この意識が、認識が、全てを包括する日が来ないというならば、そんな人類など滅んでしまえよ。“究極の記号”を産み出す事すら出来ない意識体ならば存在する意味などあるまいよ」

「そんなものはあなたの感傷に過ぎない」

「だからどうした? そんな事はどうでもいい事だ。私の世界は私によって完結する。私を満足させられない世界などゴミと一緒だ」

「物凄い言い草ですね」

「こんな話はどうでもいいな。……話を戻すぞ。完全なる記号による完全なる認識。それが人類に与えられる、自分自身が到達する唯一の希望。
────しかし、しかしだ。その究極の“記号”を認識できる人間はそこに至っても少人数だろう。彼らは『その記号』を“認識するために必要な全ての概念・記号”を知っている必要がある」

「……?」

「つまりさ、“究極完全なる記号を認識するため”にも、“究極まで進化した意識が必要”なんだって話」

「あ、ああぁ、なるほど…………、ん、じゃあそれって……かなり不可能じゃないですか?」

「あぁ、ほぼ不可能だろな……だがそれを人類には乗り越えて欲しい。そこに至る認識を持って欲しいと私は切に念じる。それがこの人類の生きた意味だと。この不完全な認識と記号が、最後には全てを超越してみせるのだと」

「しかしそれは……あなたの希望でしょう」

「違う。それが人類の最後の希望なんだ」

「消滅するまでに究極を得たいというならば」

「消滅するまでこの記号化を極めよう」


「The Last Hope. それは最後の希望であり」


「The Last Hope. それが最後の記号である」

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第20我『占いと世界を秤』 weigh a moral in the world

何の変哲も無い朝。TVは天気予報から今日の運勢に変わり代わり映えしない朝を演出し続けている。

私は食後のお茶をすすりながら、自分の星座の運勢がテロップされたときだけ顔を挙げてソレを確認した。一瞬見ただけで思わず顔をしかめてしまった。一言で云えば最悪、か。今日のラッキーアイテムは『ハンカチ』、ラッキーカラーはピンクだそうだ。さてどうしたものか。

そう考えながら隣を見ると、彼は酷くつまらなそうな顔でTVを眺めていた。

魍魎ノ類 / COMMENT:0 / TRACKBACK:0
『人の心など知りようも無く』

「……ねぇ、一つ聞いてもいいですか? ────人の心の機微なんてもの、どうやったら読めるようになるんだと思います?」

「心の機微? さぁてね。俺には及びも付かない話だ。まぁ人の心を鑑みる必要が全く無いとは思わないがね。何処までも深く、強く、“推測”する事にどれほどの意味があると言うんだ?」

「推測……という言葉を使うと、さもそれが希望や願望であるかのように感じられますけどね」

「多かれ少なかれ、他者の心を考えるときはそれが自分の願望であると言うのは疑いようも無いと思うけれどね。なんせさ、総ては無意識の内の思考行為なんだ。思考そのものは無意識の領域。だから、思考によって得られた結論もまた、“無意識の願望”である」

「思考が無意識、ですか? なんかありえないような気がするんですけど……」

「どこがありえないのか俺のほうが理解できんがね。考えても見たまえよ。この人間、どれほどの事に“意識”というモノを行使しているというのさ。お前はどこまで意識を“意識”している? 『意識』というものはね、ただの舵取り役でしかないんだよ」

「舵取り、ですか?」

「そう。『意識』とはその人間個人が進むべき方向を『無意識』に指示する役目を負っているに過ぎない。意識が何をすべきかを指示した後は、全ての事を無意識がやってくれるという訳さ」

「でも、人間は常に状況判断を求められています。ならば、意識と言うものは常に何らかの形で働いているんじゃないでしょうか?」

「程度の軽い状況判断なんてものに“意識”は必要ないよ。むしろ使われていない、と断言した方がいいな。……お前さ、車運転した事あるか? それかあれだ、今にも電車が発車しそうだ!急いで乗り込もう!と思ったこととか」

「何の話ですか……。車は乗りますよ。ペーパーですが。電車に急いで乗り込んだ事もしょっちゅうですけど……それがどうかしたんですか?」

「車の運転にも電車に急いで乗り込むときにも“意識”は働いていない。考えても見ろ。お前はいちいち次に何をどうするのか、何を見るのか、運転しながら考えているのか? 『私は次にあれを見よう』『私は次にあれをすべきだ』などと」

「えー……考えているから私は運転しているんじゃ無いですか?」

「違うね。あんたがやっている事はただの条件反射であって状況判断じゃないんだよ。例えばここで急ブレーキを踏む必要性が出てきたとしよう。さて、お前の言説では急ブレーキを踏む事ですら状況判断であるならば、危険を視認した瞬間に意識が表れ『あれは危ないから急ブレーキを踏もう』と考えてから踏んでいると言う事になるが。……さて、あんたは本当にそんな事ですら意識が必要だと言うのかい?」

「そんな事云われても……よく解りませんよ」

「なぁ、人間はさ、ほぼ全ての事を意識せずに行っているんだよ。いちいち“あれしようこれしよう”などとは思っちゃいないのさ。学習にも思考にも推理にも、意識なんてものは一切関わっていない。それだけじゃない。意識は知覚認識に全く関与していないし、技能の遂行にすら関係していない。なんらかの行動をしようとするとき、それを自分がやっていると意識すると逆に上手く出来なくなってしまう事などざらにあるだろう?」

「それはまぁ……確かに」

「更に意識なんてものは話す事や描く事、聞く事読む事、さまざまな行為にも必ずしも関与する必要など無い。今自分が書くべき文章、話すべき言葉を自分が今思考し、“今自分はこう考えているからこうしよう”などとは一切考えてはいない。意識というものを経由して為されている事などごく僅かだ」

「でも……人間がそんなになにも意識しないでもさまざまな事をやっている……という話は、少しばかり信じられないのですけれど……」

「自分が意識的にさまざまな事を為したと思う場合、それは往々にして自分の行動の“物語化”に過ぎない。『自分があの時ああしたのは、“自分がこう考えたからだ”』と自分の行動の理由を自分の中に作り出す行為だ」

「物語化、ですか?」

「人間の記憶は、特に自分の行動に関するものはその物語化の影響を受けずにはいられない。自分が何をしたのか、その理由を当時の自分ではなく、今の自分が与える事。……なぁ、自分が今さっき飯を作り、食べたの事に自分の意識は関与していたのかな?」

「え、そりゃ、ま、してたんじゃないですか? 料理を作るって云う複雑な事をしているんですから」

「ところがどっこい。どんな複雑な行為であれ、意識など必要ないのだ」

「全く信じられませんが」

「別にいいさ、理解できないならば仕方が無い。ただま、俺から言わせればその“意識”すら存在しないんだがね。そんなものは勘違いだ。人間はただこの脳が求めるままに動いているに過ぎない」

「その話は又後にしてください……」

「そうかい。残念だね。……さて、話を戻そう。思考なんてものは無意識の産物だ。意識など関係ない。それぐらいはまぁ、了解してもらえると思うけどね。何度も云うが、意識はただの舵取りで、それ以外のことにはなんの関与もしていない」

「はぁ、まぁ確かに考える事それ自体に意識は必要ないかもしれませんが……」

「そう、そしてならば思考は無意識の領域である。故に、結論それも無意識が導き出したものである。であるならば、それは無意識の願望に他ならない」

「暴論ですね」

「俺もそんな気がするが気にしないぜ。で、だ。結論それが無意識の産物ならそれは願望だ。だから、お前が他人の心の内をどれほど推論しようとも、それはお前の願望である。それが例え、自分に不利な事でさえ」

「あー……あなたが云いたい事がなんとなくわかってきましたよ」

「以心伝心だな。まぁここまできたら駆け足で言ってしまおう。思考によって得られる結論は“その時点での”自分の理想だ。そうあってほしい。そうあるべきだ」

「それが、その結論がどんなものであれ、それを自身は望んでいる。そうあってほしい、そうあるべきだ、そして“そうでなくては困る”」

「そう、それは理想であり、願望であり、“切望”だ」

「でも、それは当たり前の事です」

「当然、それは当たり前の事だ」

「自分が思う言葉、口にする言葉、あらゆる思考、それらは総て、私の望み」

「そう在ってほしいという無意識の望み。どれほどお前が他者の心を理解しようと推理しようとも。それは願望であり、邪推である。他者の心を正しく理解する事など、思考するだけでは永遠に無理だ」

「じゃあどうすればいいんでしょうか?」

「相手に聞けばいい。あなたは今、何を思っているんですか?と」

「答える訳無いじゃないですか。心なんて、上手く見せられる人間なんてそうそう居ないんですから」

「じゃあそんな人間の心を理解する事など永遠に叶わない。嗚呼、故に邪推する以外に方法は無いのだ! 美しい! お前の心は美しい! その純にして上手く発露できないその心のもどかしさよ! 私はその心を賛美しよう! その弱さも! 強さも! 総てが素晴らしい!」

「でも、それはただの理想」

「その通り、なんだな。……じゃあ最後に一つ。あんたは、俺の心を理解してくれるか?」

「無理です。そんな、狂言と戯言を嘯き続ける人間の心など、誰にも正しく理解できはしませんよ」

「残念だ。この心は、こんなにも……いびつに歪んで美しいのに」

「心に形なんて、ありませんよ」


「…………なるほどまさしくその通り」

物凄い勢いで脱線したままどっかに行ってしまった議論。云いたかった事はこんなことじゃない

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第19我『知識を転じて知性と成す』 knowledge, shift the intelligence

大小様々な書籍類が散乱する部屋に私は一歩足を踏み入れる。

足の踏み場に困るほどの本が床に散らばるこの部屋の主は、私が入ってきたにも拘らず悠然とソファにもたれながら本を読んでいた。私はその図太さに呆れながら、目に入った雑誌を手に取り適当に目を通す。どうやらお堅い科学雑誌のようだ。

私がそれを雑誌が詰まれた一角に丁寧に載せると、思わぬ一声が飛んできた。

魍魎ノ類 / COMMENT:0 / TRACKBACK:0
『誰も世を省みることなく No one reflects on the world.』

「素晴らしい作品は、ただそれだけで必然を装う。総ては必然の産物であると。目の前にあることが当然であると。奇跡を奇跡とも思わない事。人そのものが背負う原罪があるとすればそれは、“今現在を疑いもしない事”だ」

「…………なんの事ですか?」

「人間ってのはさ、感謝を忘れる生き物なんだよ」

「はぁ、まぁそれはそう云われればそうかも知れませんが──」

「そうもなにもその通りなのさ。お前が今読んだ小説が今そこにあるのは必然か? 手前が今しがた手にした漫画は当然の産物か? 皆が今見た映画はあって当然か? あらゆる作品は、それがよく出来ていればいるほどに、必然と思われる」

「…………そりゃ、まぁ、世にいろんな作品が溢れているからこそ、今、目の前にあるモノがその流れの上に必然的に存在するもののような感じはしますけれど、ね」

「それが“其処”にあるのはさまざまな因果が巡った結果で、その少しでも変わっていたのならば存在しない代物だ。その癖、あらゆる物がそうある事を当然として消費される。この、存在に対する感覚と過程に関する認識の甘さが、俺には少々歯がゆいと思われる時がある。ありていに言えば、それは“罪だ”。価値を認めない罪。価値を貶める罪」

「でもそんな事あなたには関係ないでしょう?」

「そうだな。関係ない。どんな作品が生まれていようとも、“産まれていなくとも”自分はただ目の前にあるものを『消費する』以外の行動を行い得ない。存在するから消費する。その一択肢こそが、存在を必然であると勘違いさせる要因だ。それ以外無いが故に当然。当たり前すぎてそれは勘違いなんだよ」

「なるほどね。強引な話のような気もしますが」

「人間には脳みそが一つしかない。これで一つの人間の中に同時に意識が二つや三つもあれば話は違うのかもしれないがね。残念ながら人間は一人に付き一つの意識しか持ってはいない。よしんば、自分には意識が二つ以上同時にあると思っていようとも、それはただの勘違いだ」

(話が逸れてますよ……!)

「ん? あぁおぉう、すまん。どうにもこう無駄話を挟むと言説自体の価値を貶めてしまう事は知っているんだがね。どうにも儘ならない。話を戻そう。
……人間が一つの意識しか持たないという事はつまり、人間は同時に一つの事しか考えられないって事さ。────、畢竟、それはつまりどういう事だと思う?」

「ひっきょう? ……それは、ですねーえーっと……」

「簡単な事だ。思考が同時に複数想起し得ないならば、お前はそれに対する認識と感想を同時には得られないという事さ」

「認識と感想を……ですか」

「そう。今しがた読んだ本でも漫画でもいい。お前はその内容に対する認識を得ると同時に感想を持つ事は無い。その二つが交互に現われる事はあっても」

「……いまいち解らないのですが」

「簡単な事さ。あんた、感謝ってのはさ、“一瞬でもすれば十分”だと思うかい?」

「いや、感謝がそんな一瞬だけじゃ感謝した事にはならないでしょう……」

「じゃあ一体、具体的に“何時間感謝し続ければ”それは感謝した事になるんだい?」

「え? …………いや、それは……」

「それが答えだよ。人間が一つの事しか考えられないならば、ある一つの物事に関してすら永続的に感謝し続ける事は『不可能』だ。当然の理、必然の帰結だ。しかしかといってたった一瞬感謝しただけでそれにあがなえるだけの事を成したといえるのかい? 言えやしまいよ。いや違うな。云ってはいけないんだよ」

「でも、それはあなたの考えに過ぎない」

「残念ながらその通りだ。その他の他者が感謝に対する認識をどう持っているか知りもしないが、世界はあまりにも認識が甘いような気もする。感謝する事に対する、ね」

「あなただって、普段は似たようなものでしょうし」

「残念ながらそれもその通りなのだな。嗚呼、なんという罪深さだろう! 感謝もしないで私は生きている! 己が生は総てのモノに感謝してもし足りない世界であるというのに!」

「……狂言も其処まで言えれば上出来でしょうね」

「まぁな。それは兎も角あれだ、あらゆる事象に感謝して生きる事など不可能だ。人間には人生がある。感謝しているだけで金が稼げるか、飯が食えるか。腹の足しにもならない“感傷”など打ち棄てて今はただ生きる事に専念するのみ」

「でもたまには思い出してあげてください。感謝とかその辺の感傷」

「むしろなんの感傷も持たずして充足した人生を生きられるかどうかといえば又、それも疑問だがな」

「そうかも知れませんが、感傷だけで生きられないのは事実ですね」

「儘なら無いな」

「儘なら無いと云うことそのものが、我儘というモノなのでしょう」

「なるほどね。人生とはかくも複雑なものである。というよりは人間が、か。或いは社会が、かな。どれでもいいのかも知れんがな。……この社会構造、お前や手前を生かしている総てのシステムそれもまるで奇跡のような産物だ。あらゆるインフラもそれが当たり前のように享受するには、それはあまりにも理解不能なものだ。人間ただ一人で発電施設が作れるか、洋式便所が作れるか、PCを部品から総て自作できるか。出来やしねーのに一体何を考えてそれを利用しているのか。考えた事はあるか?」

「いや別にそれぐらいありますけど。そんな事考えても仕方ないですし」

「それだよ。まさに仕様が無いと当然のように考えて必然のように勘違いする! その姿勢が問題なんだろう? まるでまるで、当然として処理されるこの世界を!」

「あぁまぁそれはそうかも……ですけどね」

「世界は蔑ろにされ続けている。殆ど総ての人間は多かれ少なかれ世界を省みないで生きている」

「しかし、それこそが“必然”」

「そうなのだ。『そう在る事が必然』と思う人間それが“必然”。なんという事だろう。それを当然のように生きなければ人間は生きる事すらできないのだ。生きる為に感謝を忘れろ! 理想と現実はかくも隔たったものだ。人間が人間である限り、この世界は永遠に感謝で満たされる事など無い、永続の不完全世界だ」

「儘なりませんねー」

「でもそれは、我儘と言うモノなんだろう?」

「じゃあ、この世界の方が間違ってるんじゃないですか? 知らないですけど」

「間違っているのは自分の方だろう。じゃなきゃ、社会はもっといい方向へ進んでいる。悪いのは総て自分だ。社会は一片たりとも間違っちゃいないさ」

「それも、あなたの理想話ですか?」

「世界そのものも、自分自身も、全員が間違っているんだろう。違えていない人間など、一人も居やしないのだろう。全ての事を考えて、総ての人間を想う事も不可能ならば、それは当たり前のことなんだ。この社会を構成している人間総てが間違っているなら、この社会も正しくは無いのだろう。ただ、それでもなんとか勝手に生きていられる程度に社会は良くできた構造物なんだろう」

「なんとも、言えない世界観ですねぇ」

「世界観と言うのは人間観に拠るのかね。まーどの道さ。こんな事もこんな話も、全部感傷に過ぎないって事さ。この世界からすればね」


「ならば、人間は世界を省みることなく」


「故に、世界は人間を省みない。そんな二重螺旋なのさ。残念ながらこの世界は」


「いやんなっちゃいますね」


「だから、それすらも感傷」

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『人形のように』

当方、年が明けてからこっちやる気が無くなって非常に大変な事になっております。いや、もとからやる気が勝手に湧いてくる人種ではありませんが。

自分は兎に角、“自分からなにか出来ない人間”なのです。

自分の事は自分が一番理解しています。

ただそれが、自分の事を一番上手くコントロールできる人間という意味ではありませんのです。自分は自分を知っていますが、自分を律する事ができる訳ではない。

敵を知り、己を知っても、百戦は危ういのだ。

自分は不器用なのだろうか? たぶんそれはそうなんだろうと思う。

でも、自分はそれを言い訳にしているんだろうか? 違うと思う。

だが不器用であるが故に上手く生きられない事を受け入れてしまってやしないか。

不器用だから上手く世の中を生きられない。それは仕方の無い事だ。ある意味で真理だと思う。

でもだからと云って、そこに甘んじる事を世界が是とする訳ではない。

不器用なりに努力して世界との関係性を上手く築いていく事が生きていくと云う事なのだろう。

不器用だからしょうがないじゃない。

不器用だから努力が必要なのだと云っているんだ。

努力する事なしに上手くいく人生などありえないものだ。器用に生きられるならば確かに人生は上手くいくだろう。不器用ならば確かに上手くいかないだろう。

自分はいつでもどこでも自分に甘えている。厳しいくせに甘えている。殺したい程嫌気が差しているのに、どうしようもない程に甘えている。甘やかしている。甘んじている。

諦めているのだろうか? でも何を?

いっその事、甘える自分を殺してしまえたらどんなに素晴らしいか。

今年は、そう、自分に厳しくしていけたらと思う。切実に。

世界の力さえあれば、自分の性格を変容させるなど、たやすいと思うんだけれど。どうやら世界は私の事はどうでもいいらしい。その本流に巻き込むつもりは無いらしい。

本当に、泣きたくなるほどに。世界は自由だ。


誰か 誰でもいいから

僕を殺して 甘えを殺して

もう二度と 甘えないように

どうか 何でもいいから

僕を縛って 厳しく叱って

もう二度と 寝惚けないように

厳しくして 僕が死ぬほどに

だから それでいいから

背中から 銃を突きつけて

背後から ぼくを動かして

そうしたら してくれたら僕は

泣いて喜ぶに 違いないのです

だから僕に 命令してください

今やるべき事を 下してください

厳しい僕のように 僕に厳しくして

君が僕の事を 人形のように操って

僕が僕の事を 人形のように操るから

だからどうか お願いだから

僕の願いを 口にして

妄想詩篇 / COMMENT:0 / TRACKBACK:0
第18我『空洞化と偶像化の二重螺旋』 doublespiral the idolize hollowing

遍く生命の起源にして自然をして最高に美しい芸術構造。二重螺旋の二重構造。

DNAを模したその二重螺旋の階段の片方を私は歩いていた。暫くその階段を上り続けていると、馴染みの顔がもう片方の階段をこっちに向かって降りてきた。いや、昇ってきた、、、、、。互いに片方の螺旋を道とし、永遠に交わらないようにして私たちは上に登り下に堕ちている、、、、、、、、、、、。私を正の視点とすれば、彼は真逆の重力を受け立っていた。勿論、彼からすれば私のほうこそが真逆。

相克する重力を放つ二重螺旋の階段にて、私たちは互いの存在を認めた。

魍魎ノ類 / COMMENT:0 / TRACKBACK:0
『この鼓動 ただの振動』

今日も一人 電車に揺られる

本を読みながら まどろみに堕ちる

全てが単調な振動に 還元されていく

子供の頃から 不思議に思ってた

人間という存在が 不思議でたまらなかった

毎朝毎朝 ただ起きるたびに思ってた

なんで自分はまだ 生きているのか

この握りこぶし程も無い 小さな心臓が

いつまでも動き続ける事が 信じられなかった

針でつつけば 破裂しそうなこの肉が

子供の手でさえも 壊せそうなこの肉が

何十年も動く事に 恐怖した

いつ止まっても 可笑しくないと思っていたのに

そう思い続けて 今まで来たけど

こうなった今でも まだ動いている

いつになったら 止まってくれるのだろう

この心臓は──


いつまで自分を生かしておくつもりなんだろう

妄想詩篇 / COMMENT:0 / TRACKBACK:0
『数珠のように』

コレじゃいけない事ぐらい、当の昔にわかってる。
こうして生きていていい訳がない事ぐらい、子供の頃からわかってる。

でも、理解していることと了解していることは全く別の話だ。

楽しいことだけを数珠のように繋いで生きていくことなど出来ないのだ。

楽しいことだけを積み上げて築いた人生などにさっそく意味もないのだ。

娯楽は錯誤。ただ楽しいことをいくら継続しても役には立たない。

凡庸は罪悪。お前の中に何もないならば、お前はゴミ以下だ。

平凡は平均であり、大抵の誰もが逃れえぬことだったとしても。

何においても突出するところがないならば、そんなものはサルに過ぎぬ。

死のうが生きようが、そんなことに関心を払う人間はもはや要るまい。お前は役に立つサルか? それとも役に立たないサルか?

こんな私でも、サルでいいとは思わない。しかし人間に成れるとも思えない。

人間になるにはあまりにも私は人間から目を逸らしてきた。そこに楽しさは無かったから。人間をおろそかに見た私は、ただ解り易い楽しさにのめり込むのだ。

そして気が付けば、私はもどきになっていた。人間の形をしたゴミ。

だから私は。

理想と世界の間で、ただ立ちすくんでいる。

現実と脳髄の境界で、私は呆然としている。

騒音と静寂の中で、イヤホンで音楽に聞き入る。

TVと雑踏の中間で、漫画を読み浸っている。

ドラマとニュースの狭間で、小説に読み耽る。

此処に在るのは楽しさだけで。何もない。

夢にまどろむのは心地が良くて。意味がない。

モノに溢れた私の中は、モノを除けば何もない。

何かあるようで。やはり何もなどありはしない。

空っぽだ。空虚であることを嫌った私が虚ろに成り果てている。

何もないなら私は誰だ。私の存在証明は何処だ。

有りはしない。

お前には何も有りはしない。

ありえない。

お前は何処にも在り得ない

これが数珠のように生きたお前の姿だ。

────それでももし。


もし何かあるとするならばそれは……


この、耐え難いまでの吐き気だけだ

雑記断片 / COMMENT:0 / TRACKBACK:0
『パラダイス・パラライズ』

パラダイス・クローズド THANATOS (講談社ノベルス)パラダイス・クローズド THANATOS (講談社ノベルス)
(2008/01/11)
汀 こるもの

商品詳細を見る

「パラダイス・クローズド。楽園は完璧ゆえに、如何なる変化も許容しない。自分は大好きだナァこの作品」

「私は別にそう好きでもありませんけどね」

「だろうね。俺はコレを大好物であると云い、最近はまった唯一の作家と云い、一生大事に保管すると言い切る事が出来るが、残念ながら一般受けするような作品じゃあるまい。それぐらい読者である自分には十分理解できる」

「一般受けしないものを一番好きだと云いきれますか。ま、世の中そんなもんかも知れませんけどね」

「俺は別にそれでもいいんだ。そもそも自分が好きな作品を他人がどうこう評価しようともそれは一向に構わないのさ。例えコレがどこかしこで酷評されていようとも、それはそれで仕方が無いものだ」

「仕方ないんだ」

「そもそも一般受けするような作品じゃないッツーことはアクが強いって事だ。そのあくの強さに辟易する人間も当然居るだろう。というか、居て当然だな」

「そんなにアクの強い作品なんですか? これ」

「お前、読んだんじゃないのか……まぁいいか。アクは強いだろうね。まほろタンほどではないにしろ」

「まほろタンって誰ですか?」

「あまりにもアクが強いんで一部の読者に熱狂的なファンが居そうだけど一般的な視点を持った批評家からはフルボッコにされてそうな感じ(あくまで主観)の作者。古野まほろ。個人的にはデビュー作が鮮烈だった。何が起こっているかわからないという意味で」

「駄目じゃないですか」

「あれはなんだろうなぁ……まぁいいや、兎に角アクは強めかもしれん、という事だ」

「はぁ、具体的には?」

「まずは、生物学(特に海洋系・観賞魚系。いわゆるアクアリウム系)の知識、薀蓄を非常に披露される。たぶん文章の半分近くはそんなもんだと思ってもらっていい」

「げぇーーー半分ってなんですかそれ……」

「でも大体事実だ。後は小ネタ、ギャグ、が多いところか。主人公が双子の二人組みなんだが、いい感じでボケと突込みが入るんで非常に楽しく読めた。主に俺が」

「それは別にいいと思いますが……」

「あんまり他の作品からの引用系のネタを披露されるもが好きじゃない人も居るだろうがね。特に漫画とかアニメからの引用がある気がするナァ、この人の場合。まぁ作品の内容的には微々たる物だけど」

「アニメから引用するのは結構レベル高いですね……」

「つっても風の谷とかエヴァぐらいかなぁ。風の谷原作漫画のネタが出たときは思わずにやりなんだが」

「原作漫画なんてあったんですか!?あれ!?」

「あるんだよ、一応……話がそれてるな。戻そう。この小説で個人的に好きなのは、探偵が連続殺人を起こした犯人に向かって『何やってんだバーーカ!!』って高らかに宣言するところだ」

「…………は?」

「常識的に考えてみろよ。そもそもなんで推理小説ものって探偵が犯人の前とかで推理を披露しなくちゃならんのさ。はっきり云って馬鹿馬鹿しいよな、あれ。勿論、そこにある種のカタルシスがあることは認めるけどね」

「はぁ……」

「でさ、この小説ではそんなもの無視して犯人追い詰めるの。そして馬鹿にするの。お前がやったことには何の意味もねーんだって事。それが二重の意味で推理小説ってモノを根本的に疑問視するものな訳」

「それはまた……自己矛盾ですねぇ」

「小説とか物語ってモノは、それ自身が多かれ少なかれ自分自身を存在矛盾させているとわしは思っているけれどね……ま、それはいいや。兎に角、わしはそんな探偵さんに一目惚れしてしまったのだよ。あぁ、コイツは何て事を云ってくれたんだろう!たまには探偵がそんな事云ってもいいと常々思っていたんだ!」

「ひねくれてますね」

「じゃかしわ。後そうだなぁ、他にもアクが強いといえば、双子の片割れが死神(タナトス)体質つって兎に角周りの人間がどんどん死んでいくっつー設定があって……まぁそれが失笑を買う原因の一つだと思うんだが」

「それはまぁ……そうかも」

「でもこいつよりよっぽどコナンとか金田一の方が悪質な体質だとわしは思うけどね! あいつら周りの人間何人殺せば気が済むんだよ! いい加減自責の念と掛かられねーのかよ! 鋼の心かよ! ばっかじゃネーーの!?」

「うわーその馬鹿にした目線……」

「ま、事実だろ。俺はそういった意味でもこの小説を評価するわけ。人が死にまくる理由を用意しないで探偵モノなんかシリーズ化すんなって感じシネェ? 警察にくっついてりゃ殺人事件に毎日お目にかかれるとでも本気で思ってるのか? 職業探偵ならなんでも赦されるって本気で信じているのか? 探偵自身もその作者自身もだよ!」

「それは……だってフィクションですもん」

「くっっっっっっだらね。フィクションだからなんだよ馬鹿馬鹿しい。フィクションにも動機だって理由だって必要だろうが。それをただそうしたいというだけの作者側や読者の理由でうやむやにすんな」

「まぁそりゃそうかもしれませんが……」

「兎に角さ、俺はそういったある種馬鹿馬鹿しい決まりごとを一瞬でもぶっ壊してくれたこの小説と作者に敬意を表すわけ。いままでそういう事を誰もやってこなかったなんて事は言わないけどさ、ここまで意識的に解りやすくやってのける事に俺は賞賛を送るわけ。そんな話」

「なるほどねぇ」

「そんで、ま、この小説を酷評するのも結構なんだけどさ。酷評し馬鹿にし失笑するだけの権利を有しているのかと、わしはまた思う訳なんよ」

「権利、ですか?」

「ありていに言えばそうだ。俺はさ、そもそも批評とか感想とか、そのへんのもんは全部感傷に過ぎねーって思ってるわけ。お前がそれを批評するのはかまわねーけど、それってただ“お前がそう思った感傷”に過ぎねーよなって話。お前の意見が一般的なんじゃない。お前の批判が的を得ている訳じゃない。それらは総てお前の好き勝手な想像に過ぎないんだよ」

「想像ですか」

「想像だろ。お前らが“この設定は失笑モノである”と云う時、さもその感想が世間様一般の感想であるかのように装うのはやめろ。『自分がこの設定や話が嫌いだから私はこれを酷評します。しかし私以外の人に関してはこの限りではありません』ぐらい云ってから酷評しろってもんじゃないのか」

「でもまぁ、彼らも趣味で或いは仕事でやってるだけでしょうから」

「批評家なんて仕事を俺はあまり認めちゃいない理由がそこにはあるんだけどな。つまり、まるで神がごとき言葉で人の作品を切り捨てていいものかどうかって事さ。そりゃあ、あらゆる作品が万人に受けることがありもしないって事があったにしても」

「万人には受けない、ですか」

「総ての人間に受け入れられる芸術なんてものは存在しない。そんな絶対芸術は理想と空想の中だけの産物だ。読み手を選ぶ作品を作ってはならないみたいな話もあるけどさ。実際考えても見れば、読者(購読層)を意識しないで描かれる物語なんてあるものかね。あらゆる作品はニッチの為に書かれたものであり、その限りにおいてその他の人間には受け入れられない」

「そんなもんですか」

「そんなもんだ。設定が中二くさい? ラノベチック? だからどうした。これはそういうもので、そういう人のために書かれた物だってなんで理解できない? あらゆる作品が“自分の為に書かれている”なんて本気で批評家共は思っているのか?」

「それは……どうでしょうか」

「思っているが如きその批判精神が俺はむかつくのさ。あぁ、これは俺には合わなかった、ただ“それだけなんだ”ってなんで云えないんだ? 何故自分が思ったことをそのまま口にする? 仕事だろうがなんだろうが俺はそんなもんには価値を見出さないね」

「でも、あらゆる作品には、その業界にはそういった意味での批判が必要なんじゃないですか? そういった馬鹿にする言葉があるからこそ、まだまだその作者達は頑張っていいもの作ったやろうって思うんじゃないですか?」

「確かに、そういう側面もあるのだろうな。残念ながら。でもだから余計に俺は好きじゃないんだ、批評家ってもんが」

「それって僻みみたいですけど」

「俺は別に批評したいとか批評家になりたいなんて露ほどにもおもわねぇけどな。俺はただ面白い作品が読みたいだけだ。これからも、ずっと先も」

「ま、でしょうね」


「という訳でわしは『汀 こるもの』にはこれからも非常に期待しているのであった。まる」


「なんという尻切れトンボ。もっと考えてから文章書きなさい」


「うるせーよ」

読後雑感 / COMMENT:0 / TRACKBACK:0
第17我『汝、自身を識るべし』 Cognosce te ipsum / know thyself

岩が剥き出しになっている山肌の所々には草が生え、乾燥した空気の中を太陽の光が容赦なく照りつける。

道無き山道を登りきったところでやっと我々の前に姿を現したその神殿は、一部が崩れ数世紀を経て尚未だに荘厳と威厳に満ちていた。その圧倒的なパワーに私はしばしの間呆然とし、その偉大さに眼を見張る。ふと気が付いて見ると既に先に来ていた彼は、適当な場所の岩に腰掛けながらその壮麗な建築物をまじまじと眺めていた。

私はそんな彼に近づき、改めて目の前の神殿を眺めながら彼に声を掛けた。

魍魎ノ類 / COMMENT:0 / TRACKBACK:0
『五月蝿なす』

税金を払っていないという理由で郵便局のマスコット猫が追い出される ──── GIGAZINE

「まぁたこの手のノイジーマイノリティーか。いい加減にして欲しいものだな」

「どうでもいいですけれどね」

「あぁ、どうでもいいけどな。だがどうでもいい事だからと放って置くとあとでろくでもない事になる可能性があるのも事実だぜ。現に、今世界中で起こっている諍いのほぼ総てが、大半の人にとってはほぼどうでもいい事だ」

「それはちょっと云いすぎじゃありませんかね?」

「じゃあ世界で起こっている“さまざまな争い”についての多数決を全世界で取ってみるがいいよ。貴方は今、これこれこれに関して実質的な被害を受けていますか?とね」

「被害の問題ですか?」

「人間には建前ってもんがあるんだ。人が次々と死んでいるような事に関して『どうでもいい』とはまず口にしまいよ。本心ではドウデモイイと思っていてもね」

「まぁ確かにそうかもしれませんが……それはそれで嫌な人間観ですね」

「事実を認識しないで理想だけで人間を語れたらどれだけ美しい事か。正義の味方は100人の人間を犠牲にして一人の少女を救い出すそうだよ。実に麗しいね」

「それはまたひねた話を…………事実ですが」

「という訳で、世界中で巻き起こっているノイジーな論争のほぼ総ては多数決を取ればどうでもいいと片付けられる話だ。あぁ煩い煩い、煩わしい。人類ってのはよくよく暇なもんだな」

「一部の人間が暇をもてあまして騒いでいるだけだと思いますが」

「まぁどうでもいいわそんな事」

「さいですか」

「話を戻そう。税金を払っていないからという理由でマスコットの猫を郵便局から追い出すってのはあれだ、正しいと思うか?」

「いや、それこそどうでもいい事だから…………別に追い出す必要も無いんじゃないですか?」

「あぁ、俺もそう思うね。大半の人もそう思うだろうさ。だがこの郵便局は、もっと言えば政府はそう判断しなかった訳だ。……それについてはどう思われる?」

「どうもなにも……そんな猫一匹で何がどうなるでもなし。今までどおり飼ってればいいじゃないですか」

「だが飼わなかった。お役人は“大多数ではなく”ノイジーマイノリティーの方の言葉を重視したんだ。さて、多数決を取ればどうって事無いと思われるそれにどうして従う必要があったんだ?」
「まぁ、そういった方々は何かと煩いですから、従っておいた方が無難なんじゃないですか?」
「だとしたら普通の一般市民はどうなる。最大多数の最大幸福は何処へ行った? ただ煩いという理由だけで一般市民の憩いの場を奪ってもいいと?」

「知りませんよそんな事」

「声あるモノは幸いである。……煩い人間はそれだけで得をする世の中か。なぁ、万人をして万人に優しい世界は来るのかな」

「こねぇよ。来るわけないだろ」

「何切れてるんだ。最近の子供はやはり直に切れるのか。牛乳飲んでるのか」

「どうでもいい事ばっかり聞いてくるからでショーが」

「ドウデモイイとは失礼な。これは我々サイレントマジョリティーとノイジーマイノリティーとの一大決戦、世界規模の極大情報戦なのであるよ。あいつらは煩くてその癖、耳に聞こえのいい言葉ばかりで飾りつけ徐々にその権力を増しつつある。他方、我々は静かに暮らしたいだけなのにあいつらが我が物顔で好き勝手言うものだからいい加減頭にきているんだ!」

「どうでもいいし」

「なんという事だ。無関心も此処までくれば天晴れというものだナ」

「そりゃま、世の中のいろんな事はばかばかしかったり色々する話ばっかりですけどね……なんというか、そんなのに関わってる暇ないし……」

「それはそうなんだが、人間、こういったもっと人間の尊厳に関わる部分での闘争本能を持った方がいいと思うんだ。そんな無関心でいるとお前その内、いいように洗脳されて独裁国家とかになっちゃうぞ」

「そのときは、私以外の人がなんとか頑張ってくれるでしょ」

「…………そう思えるうちが幸せという訳だがね」


「あぁ、全く世界って奴は……いや、人間というモノは、なんて業が深いんダロウネ」


「……ドウデモイイシ」

雑記断片 / COMMENT:0 / TRACKBACK:0
精神汚染

人間は結局、自分の事を他人以上には知りえないんじゃないかとふと思った。
自分が自己について考えるとき、それは往々にして内面についての考察である。

他者が貴方について考えるとき、それは往々にして行動規範による観察である。

考察と観察。どちらがより客観的事実かといえば、それは観察に他ならない訳で。

ここにおいて理解度というものに自己と他者における亀裂、あるいはずれが生じる。
自分は自分の心を知り、他者は行動を知る。

だが此処で一つ考えてみる。心なんてものは存在しないのだ。

よしんばあるとしても、それは脳髄と肉体が作り出す幻想で、ただの錯覚だ。
あなたは心を錯覚し、それを心と考え、心が肉体を動かすと思っている。

しかし心は、行動の動機でありながら、後付の理由でしかないのだ。
心理とは身体に隷属したただの幽霊に過ぎない。

体なくして心が存在しない以上、その心は体が生み出す電気信号ただそれだけだ。

だから、幾ら自分の心を知ったところで、それが“ただそれだけ”であるならば。

その事はなんの意味も無いのだ。この世界にとって。他者にとって。

心を行動として現さない限り。心を言葉として口に出さない限り。

そうする事でやっと一つ。貴方の心はすこしだけ理解される。

誰も自分のことを理解してくれない、のではない。

貴方が誰のことも理解しようとしない、それだけなのだろう。


────そんな事は早速、戯言でしかないけれども。


どうにもこのブログは精神衛生上宜しくない可能性がある。主に自分にとって。

自分で書いた文章に凹まされていれば苦労はしないけれど。今回は少しばかり凹まし過ぎたようだ。自分で自分を回りくどく攻撃するのは構わないけれど、行き過ぎれば自分自身を壊してしまいかねないな、と感じる。

自分は別にMとかそういう訳では無いけれども。

自分を攻撃しているように見えるのはそれは自分を省みているからであって。自己を考察すれば自己嫌悪に陥るのは至極当然なのだが。

自分で書いた文章それで泣いた事がある人間がどれだけいるかは知れないが(結構いると思うけど)、少なくとも自分は自分の書いた文章で自分を追い詰める事は出来るわけだ。

背後に何もなくなったら、自分は虚無に向かって飛び込むだろうか。

元より自分には何も無いが、自分そのものを亡くす事に躊躇いは無いだろうか。


────躊躇っているからこそ、今此処でこうして自分を殺そうとしているとも考えられるが


結局、自分の心なんぞ…………全くもって理解もできない

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第16我『一般論は変革を求める』 The generalization revolution

剥げた塗装、崩れた外壁。今にも崩壊しそうなほどボロボロに朽ちたマンションの一室。

その部屋に唯一残された家具であるソファに腰掛けながら、彼は荒れ果てた室内を眺めていた。確実に立ち入り禁止の札が架かっていたであろう建築物の内部に、私たちはいる。その室内の荒れようは、埃が積もっている分だけ建物の外観よりも酷いように思えた。

バキベキと音を立てるフローリングを歩きながら、私は彼に質問をする。

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言葉吐く

私にとって文章を綴る事は、吐く事に似ているのかもしれない。
胃の中の内容物を吐き出すように。ただ浮かび上がる言葉を吐き出す。

鈍痛に痺れるこの脳髄を、少しでも明瞭にする為に。

吐き出して、掻き出して、意識の中に溜まった形のないものを綺麗にしていく。

吐き出して、書き出して、言葉の中に凝った想いを明確にしていく。

吐く必要が無いときは、書く必要がない。
自分の中のなにかが壊れていると感じたその瞬間に、己を嫌悪して吐き出す。

そんな事を、私は楽しんでいるのだろうか。────楽しんでいるのかもしれない。

想いをぶつける事は無性に楽しい。書くべき言葉が明確になった時など思わず口元が緩む。

痺れ続けているこの脳みそを、正常に戻すために。

私はその為だけに一生を費やすのかもしれない。

……だが、それがどうしたというのだろう。

それは途轍もなく長い道のりで──なんて甘美な世界なのだろうか

永遠にこの脳髄が組み上げた言葉を発し続ける人生など……楽しそうでしようがない。

私自身がこの脳の中のゴーストであるならば。

この脳こそが私の最大の関心事になる。

我が肉体の、この脳髄の機能をクロックアップするのも面白そうだ。

この記憶の拡大を目論むのもいいだろう。

だが、一番楽しそうなのはこの中を妄想を一杯にすることだ。

記憶を汲み上げ、話を組み上げ、この脳髄を妄想で満たそう。

大脳皮質が“私”という夢を見ているように。

私が“大脳皮質”を夢で満たす。

この肉塊の前では、その外側のことなど総てが取るに足らない。

外の世界など、些細なことだ。


私にとっては


この1500gに満たない脳の中こそが一番────


重要なのだから

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第15我『宗教神は超越しない』 religious god don't rise above

天井近くの採光窓から光が差し込み埃っぽい床を照らし出す。

半地下の倉庫。その空間の中にはぎっしりと様々な人の形を模した物品が詰め込まれていたが、その大半が赤い布にすっぽりと覆われていた。それ故にその姿を窺う事は出来ないが、それでも闇の中に浮かび上がる赤いシルエットの数々は無言で何かを訴えかけてくるようである。此処はまさに偶像の部屋。

その広さも知れない空間の中で唯一つだけ設置されているこれまた赤いソファに、彼は身を埋め眼を瞑っていた。

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第13我『神に至る思考の痕跡』 route of thinking to the Lord

大聖堂と呼ぶに相応しい、荘厳な雰囲気の漂う建築物の内部。

数十メートルはあろう高い天井には緻密なフレスコ画。一面の壁にはステンドグラスと採光窓が交互に配置され、適度な光量が静謐な雰囲気を演出している。その広大な床には幾百もの長椅子が設置されており、その中の一つに私たちは少し間隔をあけて座っていた。

他には誰も居ない、まさに神聖と隣り合わせの空間の中、私は本を読みながら、彼はただ天井を見上げながら、ただ押し黙って居た。

そして、ふとしたきっかけでその静寂は破られる。

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第11我『人間、この不完全な存在』 law of the corruption

古びた空気が漂よう色褪せた書斎。壁一面には書架があり所狭しと洋書が詰め込まれている。

懐古趣味の大きな木製の机の上には本や紙の束の他に、年代モノの地球儀や砂時計など如何にもな物品が配置されている。天井近くに穿たれた採光窓から一条の光が床を照らし出す。最近まで使われていなかったのだろう、床にはちょっとだけ埃が積もっていた。

この部屋の主は部屋には似合わない大仰な椅子に腰を掛けて、静かに本を読んでいた。

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価値無し

自分は欲張りなのだろうか。たぶんそうなのだろう。
あれも欲しいこれも欲しいといいながら、あれも失いたくなかったこれも失いたくなかったと。
私の時間とこの肉体が限りなく微小で有限である以上、全てを思い通りに手に入れることは不可能だ。

何かを手に入れるという事は、何かを手放すという事だ。

何かを欲しがるという事は、何かを諦めるという事だ。

あらゆる行為には拘束時間が発生する。ご飯を食べるのにも本を読むのにもゲームをするのにも絵を描くのにもだ。

ご飯を食べている最中に本は読めず、ゲームをしている時に絵は描けない。

そうでもないのかも知れない。しかし私にとってはそういうものだ。

私が昔の自分を捨てて待て手に入れたものは、本当にそれを手放すに値するものだったのだろうかと、考えずにはいられない。
例えそれがこの世界にとって等しく等価で無価値なものでったとしても。

────私はそれを亡くしたくはなかったのだ。

昔の自分を千切り捨て、投げ捨て、切捨て

そうするまでに意味のあるモノが、価値のある私が、今ここにあるとでも云うのだろうか。

今も昔も自分は無価値だが。

昔の方が志は高かったのではないかとよく思う。

今の自分が失ってしまったものを持っているというただそれだけで。

私は昔の自分を羨むことが出来る。

今の自分を省みないことが出来る。

要するに私は……やはり浅はかで、欲張りで、どうしようもなく餓鬼なのだ。

棄てたモノを惜しがり、手に入れたモノの価値を疑い。

どこまでも追い求め、その為に持っているモノを投げ捨てている。

そうして棄てた物を、それでも私はまた惜しいと嘆くのだ。

終わらない。繰り返しだ。グルグル廻っている。永遠に変われない。

私は変われない。

全てを手に入れられない事を知りながら、その総てを手に入れたいと泣き喚く。

知っていると云いながら、実のところ本当は何も識らない。

……ならば教えて欲しい。

ただ一つ。肯定して欲しい。

お前は今のままでも価値があると。ただそれだけを云って欲しい。





──嗚呼、解っている。


こんな私でもそれぐらいの事は知っている。


今も昔も。


己にはそんな価値などない事ぐらい。

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第10我『嵐のイヴに』 Christmas evening, tempest night

激しい雨風が一面の窓を叩く。室内には電気がついておらず、一本の蝋燭だけが弱弱しく灯っている。

当然、その程度の灯りでは一メートル手前すらまともに見る事は出来ない。しかし、それらを見る必要が無いのも事実。目の前には見えなくとも、見知った顔の青年がどうせソファに腰を下ろしているだけだ。

私は、顔すらまともに見る事の出来ない相手に声を掛けた。

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精神劣化

昔書いた文章を試しにアップしてみた。今後、そのようなものをアップする場合はカテゴリ:魍魎ノ類に置いていく事になる。
このブログ自体が既に魑魅の類ではあるけれど。

この話を書いたのは大昔になる。と云っても3年前ぐらいの話でしかないと思うけれど。
重要なのは時間的な経過の問題ではなく、自分がどう感じるかだ。そしてそれは、やはり私にとって大昔の話になってしまう。

昔の自分が、酷く遠いのだ。

今の私があのような文章をいきなり書けといわれて書ける自信がない。
勿論、今も昔も時間をかけて話を考えているには違いないし、時間さえかければ似たようなものは書けるだろう。

だがそれでも、今の自分にはあれは書けない。書ける気がしない。

発想というものは常にその瞬間に火花が飛び散るように起きるもので、それはどうしてもその“瞬間”を手に入れた『私』のものでしかない。
昔の私が手に入れた発想は、今の私には手が届かないものなのだ。それはもうどうしようもなく。

泣きたくなるほどにそれは純然たる事実で。

悲しくなるほどにそれは冷酷なる現実だ。

今の私は昔に及ばない。それは劣化だ。

私は既に、過去の私に投げ捨てられてもおかしくないほどに劣化している。
過去の自分が遠い。追いつけない。手も届かない。

昔の自分が何処にいったのか解らない。

あの発想を手に入れたあの瞬間から、自分は何一つ変わっていないようでいて──

……相変わらずに劣化を続けている。

自分には手に入れられない発想。考え。志向。そのどれもが今の自分には欠けている。
無くしたという記憶さえ既にない。ならば、今の私は昔の私の延長ですらない。

茫洋とした日常が、いつの間にか私を打ち砕いていた。

人間それ自体が精神それのみによって己を自己と断ずるならば。

今の私は昔の自分に劣るならば。

死んでしまえよ。

劣化を続けるだけで進化しないならば。

息絶えてしまえよ。

そんなどうしようもない偽者は。

消えてしまえよ。

幾ら絵が上手くなろうとも。いろんな技能を手に入れようとも。

精神が高尚でないならば。





私は生きていたくなどないのだよ

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第12我『大いなる晦、除かれた夜』 life in the night

月の視えない新月の夜。身も凍るような寒空の下、私たちは黙々と歩き続けていた。遠くから“欲”を祓う百八つの鐘が小さく聞こえてくる。

シンと静まり返った静謐の空気の中、響く音は澄んだ鐘の音だけ。今は凍えるほどの寒さだが、それも気にならないくらい荘厳な雰囲気が漂っている。吐く息が白いのもこの世界の中では美しい。今此処の空間は、ただそれだけで完成されている。

──その刹那、全てが調和し完成された静寂を破るように相方が声を発した。

魍魎ノ類 / COMMENT:0 / TRACKBACK:0
一般人幻想

デジカメのデジカメ

デジカメを買ったのでそのデジカメでこのデジカメの写真を撮った。

メモリーカードが手持ちで無いので内臓メモリーにしかまだ記録できないけれど、操作を覚えるだけならば別にそれで十分だったりする。

最近はSDHDが非常に値下がりしているので今のうちに購入しておくのが吉なのだが、どちらかと言えばそれほどの容量は必要ないので購入するサイズに悩んでいる。32GBぐらいあっても別に困らないと言えば困らないけれど。

どちらかというといくつもメモリーカードを用意するよりバッテリーを予備で買った方が幾らか使い出がいいかもしれない。

まぁいずれにせよそんなバンバン出費は出来ないわけで。

むしろそんなにデジカメを使う機会がなさそうといえばないのだけれども。

ひとまず常時持ち歩いて資料集めやテクスチャー収集とかに使いつつ、空とか夜景とか良い感じの写真を取れればいいなぁ……テクスチャーか。考えてみるとどうやって何を撮ればテクスチャーに使えるんだろう――それを勉強するためにも撮りまくるのか。

――それはそうと。

一般人という考え方そのものが幻想だ。一般的という言葉すらここに至れば胡散臭い。
普通であるという事を説明するのは結構だが、それをして言論に利用するなど持っての他だ。

今時、“自由”などと言う言葉を使う人間そのものが信用なら無いように、“一般的に云って”という言葉それ自体が信用ならない。

特に自分の考えを押し付けようとする者共によって発せられるその言葉は、それだけで既に兵器だ。それらしい言葉は既に情報戦における兵器なのだ。

耳に聞こえのいい言葉を信じるな。

心に響く魅力的な言葉を疑問に思え。

まさにその通りだと思える言葉すら真に受けるな。

そこにはお前を陥れようとするあらゆる思惑が潜んでいる。そう考えて然るべきだ。

そんな考え方が世の中を駄目にするのだろうか。だとしたら駄目なのは世の中の方だ。駄目になる事を推奨し強要する世界の方が可笑しいものと考えた方がいい。

自分の生き方を疑うならば、その前に世界を疑え。

世界そのものが、既に疑問の余地だらけだ。

息をするのが辛いほど生きるのが辛いならば……――

自分が何を云いたかったのか忘れた。

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アイロニーに至る過程

初っ端の更新で飛ばしすぎた気がしないでもないが別に気にしない。
もとより気にしていたらあんな文章なぞ書ける訳が無い。自己嫌悪の垂れ流しで何がどうなるとか考えている訳ではない。そんなものはチラシの裏にでもしまっておけ。それが世のため人の為。

だがそれでも、というのであれば。

この世に独りよがりでない言葉など存在するものか。

仮令それが、自分しか愛せない人間の戯言であったとしても。

人間は自分の望みただそれだけを脳に持っている。口にする言葉は本音。心に思い浮かべるは夢。建前も本心も全てが自分の為の言霊。望むこと全てがおまえ自身を形作っている。

それがどれほど自己破滅的であろうとも、それすら嘘偽り無く本物だ。

それが如何ほど客観的事実であろうとも、それはただのお前の望みだ。

感想は感傷に過ぎず、批判は暴言に過ぎない。

人間が人間である以上、どんな言葉でもそれ自体が自分という殻を通さずには居られない。無色透明でただそれ自体純粋な言葉など存在しない。あらゆる言葉は発言者それ自身の“望み”通りの色をしている。

献身も憐憫もロマンチストも終末論者もニヒリストも弱者も強者も敗者も勝者も、あらゆる行動行為が己を愛し好きに生きた結果だ。過程環境を無視しようとも加味しようとも。

……自分の言葉が力を持つなどと考えたことは一度もないが。

……自分が居た証を残したいという気持ちがあるのかどうかも知れないが。

それでももし自分にこの口があり、手があり、言葉を発し、言葉を残せるならば。

何かしらを残して逝きたいと思う。

自分と言う存在が意味を持つのは、この他者との関係の中でしかありえないのだ。己の、この頭の中にある戯言は、形に残さねば存在すらあやふやだから。シュレディンガーの匣の中に何があったとしても、それは観測されなければ意味すら持ち得ないのだ。

私の脳が視るこの世界は自己完結だが、その外側の世界は、この脳にとって永遠に完結しない。

いずれにせよ。

私が言葉を記すのはそれら全てが狂言であれ戯言であれ、それをしてこの世界に己の望みをぶつけ、あわよくばそれが“事実”になって欲しいからだ。

世界がもし私の狂言によって組みかえられるならば、これほど“愉快”な事もあるまいが

それこそ、この狂言廻しが見る電気羊の夢だ。

話が逸れまくっている。

要するに、反面教師として私の言葉を受け止め、批判しながら自分で本当のところを考えてくれればそれでいい。

それこそが“アイロニー”の真髄なのだから。

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― 燈宮 仮月 ―
Hinomiya Kaduki

趣味/
 「読書」
 「音楽鑑賞」
 「妄想」

座右/
 「初心忘れるべからず」
 「思い立ったが吉日」
 「継続は力なり」

口癖/
 「結局は程度問題」
 「時と場合に因る」
 「何事も経験」

欠点/
 「すべて狂言、、、、、

 
『他ならぬ、他人の為に』
『それはつまり、因果のように』
『世はなべて殊もなく』
コミックス・コード
『爆発的情報進化 Meme Explosion』
『Fight and Flight』
『重力の中』
『ロストリモート』
『あんちのみ?』
『日常机上』
『頭蓋骨と頭痛の間で益体も無い話』
『都市なる伝説 Netlore』
『感情と、機械の生物 nothing but ism』
『“特別”もいずれ』
『Letter』
『細胞奴隷』
『死ヲ希シ慮ル事念ズ』
『All are the gradations』
『オール オア ナッシング』
『いつかの心を 忘れる心 for me any more』
『一般的に一般人は一般的に云って一般以下である』
『引き篭もりの愚者』
『人災について』
『世界の片隅で愚痴を云ったら自分に返ってくるって意外と真理』
『危機感欠如認知バイアス Somebody else's problem acknowledgment bias』
『命の重さ──言葉の重さ Weight the mind』
『Fortuna amicos conciliat, inopia amicos probat. 』
『せめて人間らしく』
『傾ぐ世界 Poltergeist』
『自殺考察(1) 墜落追悼』


◆学術系
国民が知らない反日の実態
FreeJapan.TV (国益最前線)
マンガ論争勃発-継続中
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泉の波立ち
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哲学的な何か、あと科学とか
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博士の独り言
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日本経済をボロボロにする人々
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古代ギリシア哲学と現代倫理学のページ
独白日誌
山下太郎のラテン語入門
Sankei Web
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Other voices-遠い声-
フジテレビ“ノイタミナ” TVアニメ 東のエデン
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破
化物語
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