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『私は世界に属さない Hello World』

「あらゆる心象は現実の内には存在しない。この世界にあるのは何処までいっても“事実”ただそれだけだ」

「どういう事です?」

「この現実世界に夕日という現象はあっても、“綺麗な夕日”という現象は存在しないという事。美味しそうな料理はあっても、“美味しい料理”は存在しないという事。そして、どれほど素晴らしい旋律が奏でられようとも、“素晴らしい音楽”は存在しないという話」

「存在しません……か?」

「在るのは常に物理的な現象だけであって、心象ではない。心象は現象の層ではなく、常に主観の層に存在するものだからな」

「主観の内にあるものは……現実じゃないのですか?」

「あらゆる主観は客観的ではない。物理世界の何処にも主観的なものは存在しない。いいか? 『解釈』って言うものは全て“主観”なんだ。データをどのように受け取るか判断するのは主観であり客観ではない」

「データって言うと……つまり夕日とか料理とか音楽の事ですか?」

「簡単に言えば、そういう事になる。それが美しいと思う事、美味しいと思う事、素晴らしいと思う事自体、それらすべてが主観であり、基の現象それらに客観的な“秀麗・美味・魅力”がある訳ではない」

「心象は現象ではない。……確かにそれはそうですよね」

「そもそも、この世には不思議な事など何も無い、と言ったらお前さんはどう思うかね?」

「え? いや、どうもなにも……不思議な事だらけですが」

「だからそれが心象なんだろう? “この世には”心象なんか存在しないんだよ。現実は常に現実であり、現象はあるべくして起こっているに過ぎない。世界はただあるがままに流れているに過ぎず、そこには謎もなければ不思議な事も無い。在りはしないんだ」

「あぁ、そう云われればそうなのかもしれませんが」

「まぁ人間の意識、認識、主観にはおのずと限界が存在する。物凄く大きな“限界”だ。……お前はそれを理解しているか?」

「限界を、ですか? そりゃまー限界はあるんでしょうけど……どういう事かいまいち」

「認識の限界はね、『自己を脱却は出来ない』というその一点に尽きるんだよ。自己限界性。“心象の地平”だ。心で考え、主観で経験し、現象に心象を、世界に解釈を与えるのが人間の唯一の“認識手法”であるならば、それ以外の解答を人間が得る事はできない」

「どういうことですか?」

「簡単な話だ。人間は“他者の思考すら”完全にトレースする事はできない。もっとも身近にいる人間ですら。いわんや、世界を正しく認識できるはずなど無い。全てが間違いかも知れないと言う論理的限界を人類が持たねばならないのは、それが人間の認識限界だからだ」

「ソレは…………そうかも知れませんが」

「実際の話、人間が世界を完璧に認識する事など、出来はしないのだろう。真実は常に、現実の層にのみ存在し、主観によってソレを得る事は不可能だからだ」

「それが認識限界、ですか?」

「というよりも、認識そのものの閾値だ。神経細胞がある一定以上の強さの情報を変換できないように、この脳がもつ認識に必然的に設定されている“上限”。生命として生きるだけならば、外界の状況を神経で解釈して体を反応させればそれで生存には十分だったのだろうが、知的生命として生きるならば“解釈”という作業は邪魔でしかないはずなんだ」

「邪魔ですか?」

「解釈をはさまないで現実を正しく認識できるのならば、脳の中には客観的なデータがある事になる。だが、客観を脳が持つということ自体がナンセンスだな。そんな事は永遠にありえない。現実を現実として人間が眼にする事は永遠にないんだよ」

「ま、確かにそんな所かもしれませんね……」

「全ては解釈であり仮説であり心象だ。お前は、常にお前の中に生まれた解釈と仮説と心象によってのみ世界を認識している。お前が真実を眼にする事は永遠に無い。なかんずく、在ったとしてもそれは錯覚に過ぎない。そう思えているだけに過ぎない。他者と幻想を共有しているに過ぎない」

「私が持つ全ての認識が、私の主観に属するものならば」


「お前の意識は現実に属さない」


「在るのはただ私が何を為したかであり」


「お前が何を為すかでしかない」

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― 燈宮 仮月 ―
Hinomiya Kaduki

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 「読書」
 「音楽鑑賞」
 「妄想」

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 「継続は力なり」

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 「何事も経験」

欠点/
 「すべて狂言、、、、、

 
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