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『空を見上げろ そして 己が意義を思い出せ』

「ねぇ…………私達が生きてる意味ってなんなんでしょうかねぇ?」

「はぁ? 私達ってなんだ? “私達”って。いくら人類と一括りにされようとも、俺とお前は最早全く別の個体だしそもそもなんの共通項も無い。よしんばあるとしてもそれは双方が持つ幻想に過ぎないだろ。俺とお前が生きる理由はどうあがいても全く別々のモノだし、それが共通する事も永遠にありえない」

「あーもうだからそうじゃなくて……。なんていうのかなぁ。ほら、仮にも同じ釜の飯を食べた人間としてとか同じ時間を共有した仲間としての、『ナニカ』ですよ」

「要するに短期的な意味での共通目的か? だったらそう云え。そしてそれは“生きる意味”っていう大それたモノじゃないだろ。言葉に気をつけないと云いたい事など永遠に伝わらないぞ」

「そういうのどうでもいいから……」

「どうでもいいな。まぁ一つ云える事があるとすれば明示化された意味として俺とお前が共有する存在意義など存在しない。お前だってそんな事を確認しあった記憶などあるまい? 或いは約束とか。そういった確認作業なしに共通する目的を共有する事はありえない」

「でもほら、以心伝心、みたいな」

「テレパシーの事か? どちらにせよそう云った超常識的な手段であっても、それを使って互いの意思確認をしている段階でそれは“約束”した事に変わりは無いだろ。もし仮に言葉無くそういった確認作業をしたと双方が認めうるならば、それは既にそういった“テンプレート”が互いの中に確立されているからに他ならない。要するに流れ作業だ」

「つまりどういう事ですか?」

「相手に意思確認する事無く目的は共有化されない。当然の事だ。そして俺とお前の中に共有された意義は存在しない。俺とお前はただなんとなく会話しているだけの中でしかない」

「あーやっぱりその程度だったんですね……別にショックではありませんけど」

「ただま、そうだな……言葉にしてはならないと云った話であれば、俺とお前の“外”に『存在する理由』は存在する」

「…………は?」

「だからさ、俺とお前の間にはなんの目的も存在しないが、その関係性の外側にこそ『存在する理由』あるんだ。解らないかな?」

「いや、そもそもあなたが何を云ってるのか解らないですし」

「我々の関係性そのものにたいした意味は無いが、その“関係性自体”が存在理由であると見なされ得る状態。理由は常にあらゆる場所に存在する。因果律と同じだな。存在する理由は全てのものが全ての内において持ちうる」

「頭が痛くなってきました。……もっとこうちゃんと説明してください────」

「理由というものはね、常にその主体だけが持つものじゃないのさ。当然だ、この世には一体幾つの主観が存在すると思っているんだ。……お前の存在意味を決める権利ってのはね、“お前”だけじゃなく当然“他者”にもあるんだよ」

「え、つまりなんですか? あなたが私の存在意義を決める事もありえると?」

「そうだ。お前にはおまえ自身が“自分で決めた存在意義”があろうとも、俺から見たお前には当然俺から見た場合の“お前の存在意義”がある。そして更に云えば見知らぬ第三者から見た場合の“お前の存在意義”もある。それはおまえ自身の『存在価値』と言い換えてもいい」

「あぁー……確かにそれはあるでしょうねぇ……」

「そして、他者が決める己の存在意義は極論すれば“絶対に話されることの無い”理由だ」

「話される事が無い、ですか?」

「そう。例えば俺がお前に与える存在意義など、お前は知りたくも無かろう? それはね、俺がお前の存在価値を貶めているからだよ」

「貶めている、のですか?」

「どんな理由であれ、それは明示化されたら確実にお前の存在価値を限定的にしか視ていない事になる。飯を用意してくれる便利な存在だ、金を稼いできてくれるいい奴だ、云う事をよく聞く使える奴だ、或いは使えない奴だ、話をするのが楽しいだけだ! ……解るか? 理由を与えた時点でそれはその程度の存在であると認識される事になる。それを明示化したら相手は、「自分はその程度の認識だったのか」と思わざるを得ない」

「それは…………」

「関係性は曖昧なままの方が良いというのはまさにその通りなんだよ。それは明示化することで壊れてしまうような脆い構造物だ。例え本当のところでも、お前はただの話友達だ、なんて言葉、云えるか? それが本当でも、自分の存在価値を無限定に視てくれない事で人は傷つくんだ。……ま、よしんば、明らかになったところでそれが“本当の理由”かどうかも解らないしね」

「なんかもう……凹みました」

「気にするな。そんな事はみんながやっていることだ。むしろ皆の優しさに涙が出そうになるじゃないか。みんなの気遣いが見えてくるようじゃないか。お前はただの話し友達だけど、それは云わないでおいてやるよ! アッハハハハ!」

「うわー…………引きますヨ、それ」

「だが話は此処からなんだな」

「マジですか。勘弁してください……」

「安心しろ、大した話じゃない。折角だからついでにするだけの事だ。俺とお前の関係性についてだったな。それはね、結構簡単なところにあるんだよ。……お前、この会話が文章化されていることは知っているな?」

「知らないでか。私は別にこんな事はやりたくないんですけどね……あなたが無理やり話をするものだから仕方なく付き合ってるだけなんですよ」

「だったら話は早いな。文章化は明文化だ。形に残されることで俺とお前の関係性は明示化されて人の眼に見えるようになる。俺とお前の間に目的は無いが、その間で交わされる“遣り取り”こそが俺達が此処で会話をしている本当のところの理由だ」

「はぁ……つまりなんですか?」

「俺達は『他人に視られるために存在している』」

「…………はぇ?」

「俺達のこの関係性は、他人に見られ、観察されるところに存在する理由がある。“道化”なんだ。我々は他者の目を楽しませるために此処で会話を繰り返している! お前や俺の目的など構いもせずに、他人は我々を“道化”と視ている。道化であると見做している」

「道化って、それは、ちょっと、気分が宜しく無い話ですが」

「気分など関係ない。明示化されていないだけで、我々という存在は他者からすれば殆どが道化なんだよ。それは“自分を楽しませてくれるか”というただそれだけの存在理由だ。他者を楽しめられない道化など存在する理由が無いのさ。“他者からすれば”ね」

「“他者からすれば”……? ……あ、もしかして……!?」

「ようやく気が付いたか。その通りだよ。全ての人間はね、“その他者からすれば全てが道化”なんだよ! あらゆる人間は、他者を楽しませられるかどうかがほぼ全ての存在理由だ。ネタだよ、ネタ。おまえ自身が他人を楽しませられるかどうかが重要なんだ。他者からすれば!」

「全て、全員が、道化、ですか」

「その通りだ。道化になれない人間は排除される。つまらない役に立たない意味が無い人間に生きる意味など無いのだ! 人間が構成するこの人間社会では、客観的に云えば“道化になる事が存在理由”だ。ギャグを人前で言うように、名探偵が関係者の前で犯人を名指しするように! 誰の眼にも見えない存在意義など、この世界ではなんの意味も無い。お前らは全員、他者に評価される事を至上命題にせざるを得ないんだ! なんという道化だろう! 世界はおどけた道化で満ちている!」

「……でも、それが普通なのでしょう? この世界では」

「その通り! この社会では他者に貢献する事が、社会に貢献する事に他ならない。社会への貢献そのものが報酬の対価である。そんな事は当たり前の事だ。道化にならずに貢献する事など出来はしない。違うな、他者に奉仕するというその姿勢こそが“道化”ならば、道化で無い人間などこの社会には居ないんだ」

「ならば、そんな巫山戯た言い方をする必要も無いでしょうに」

「皮肉を云わないでなにがアイロニーか。おれが自分で自分に定めている存在意義が“皮肉”ならば、こういう言い方でもしない限り俺が存在する意味など無い。これが俺の道化としての生き方なんだ」

「はぁ、ならしょうがないですね……」

「あぁ、ついでにもう一つ聞いておくか。……我々の存在意義は“道化になる事”だ。他者を楽しませるために我々は話している。じゃあ、此処の作者がこの文章をまとめている理由、、、、、、、、、、、、、、、、、、、ってなんだと思う?」

「は? 作者ってつまり私達の会話文を文章化している人のことですか? えーっと…………さぁ? ただ明文化して公開したいからしているんじゃないんですか?」

「違う違う。そんな意味も無いようなことじゃない。もっと……下らない理由だよ」

「え? 下らないんですか……よけい解らないんですけど」

「解らないかナァ……つまりさ。この文章を読んでいる人間を“観察する事”だよ」

「……は? え?」

「明文化されている以上、誰かはこの会話を読むわけだ。我々“道化”の会話をね。そうした上で、その読者は何を思うのかな。こんな下らない会話を読んで何を考えるのか。……俺にはそれがなんなのか想像もつかないんだが、簡単に言えば、ここの作者はそれを見たくてこの文章をまとめているんだ」

「……つまり、読者を観察するためであると?」

「そう。読者の反応を見ることがこのブログの存在意義だ。だから、、、観察日記、、、、』なんだよ! 我々二人を観察する日記であると同時に、“読者を観察する日記”! なんという不遜な話だ! 下らなすぎて腹が捩れる!」

「そ……れ、は」

「我々は動物園の檻に閉じ込められた動物で、それを見に来た読者が“作者の観察対象”! 酷い話だ! 誰も彼をも馬鹿にしている! まさに“皮肉っている”!」

「あぁ、……なるほど。色々と合点がいきました──つまり、“そういう事”」

「あぁ、全てが道化だ! 道化を楽しむみんなが道化だ! 世界はまるで全員参加のサーカスのようじゃないか。そこで繰り広げられるあらゆる全てが見世物だ」

「ならば世界は張りぼてで────なんて薄っぺらいのだろう」




「お前は道化だ」


「あなたも道化だ」


「空を見上げろ」


「そして」


『己が意義を思い出せ』


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― 燈宮 仮月 ―
Hinomiya Kaduki

趣味/
 「読書」
 「音楽鑑賞」
 「妄想」

座右/
 「初心忘れるべからず」
 「思い立ったが吉日」
 「継続は力なり」

口癖/
 「結局は程度問題」
 「時と場合に因る」
 「何事も経験」

欠点/
 「すべて狂言、、、、、

 
『他ならぬ、他人の為に』
『それはつまり、因果のように』
『世はなべて殊もなく』
コミックス・コード
『爆発的情報進化 Meme Explosion』
『Fight and Flight』
『重力の中』
『ロストリモート』
『あんちのみ?』
『日常机上』
『頭蓋骨と頭痛の間で益体も無い話』
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『感情と、機械の生物 nothing but ism』
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『死ヲ希シ慮ル事念ズ』
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『引き篭もりの愚者』
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『世界の片隅で愚痴を云ったら自分に返ってくるって意外と真理』
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