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『動物か機械 A Mechanical Animal』

「あらゆる現象それ自体はとてもメカニカルなものだ。全ては機械的であり、決定論的であり、齟齬の無い一連のカスケードである」

「日本語でおk」

「しかし動物は、それ以降も動物的である。全ては機械的な連鎖反応でありながら、生物は限りなく“動物的”なんだ。……この意味が解るか?」

「まず問いの意味が解らない場合はどうすればいいんですかー?」

「理解を放棄している人間に与える回答は在りません。思考の放棄は限りなく動物的だけど、やってる事は機械的だな。……まぁどちらにせよ褒められた話じゃないが」

「あなたの話は基本的に最初の方で人を置いてけぼりにするんですよ」

「これは論文でもなければ説明文でも無いんだ。最初から答えを云ってしまう意味は無いね。考えても見ろよ。一番初めに犯人を名指しする推理小説が面白いものか?」

「それはミステリーにおける倒叙物に対する挑戦ですね」

「倒叙物の面白さは推理ではなく心理戦にあり、人間関係にあり、極論すれば物語りそのものにある。あれはミステリーというよりは人間ドラマなのさ。だから、あえて云うならばあれをミステリーというのは少々語弊があるし、あれをしてミステリーそのものを評論するのは筋違いだろう」

「────で、何の話でしたっけ?」

「動物的であるか機械的であるか。その違いと意味だ」

「まぁ……全てが機械論的であるという話は解るんですけれどね」

「なら話は簡単だ。全ては機械的だ。世界は単純明快に機械論だ。……ま、機械論そのものの定義がどうなっているか俺には解らないが、云ってしまえば世界というものはどこまでも連鎖反応的なんだ。だから、あらゆるチェーンリアクションは機械的にこなされている。Aならば次はB、そしてC。一連にこなされるそれらの変化は、機械によって流れ作業的に処理される因果に過ぎない。世界そのものは、機械的に処理されるだけの決定論的世界だ」

「難しい言葉云ってますが、話の内容は簡単ですよね」

「しかし、その中にあって生命は限りなく“動物的”だ。機械的でありながら動物的──さて、その心は?」

「…………限りなく人間に近いAIは製作可能……とか」

「限りなく俺が云いたい話から遠ざかった! だがその考え方は解らんでもないな。でもそれは誤り。正解は人間と区別の付かない、それどころか人間以上の人工知能の創造は可能だ。人間と違って殻の制約を限りなく減らせるAIは理想的な意識生命だ。人間の不完全性がその身体それ自体に帰依する問題ならば、AIが人間を超えるのは必然だ」

「ぞっとしない世界ですね」

「ほっとする話さ。……その意味は、押して知るべし」

「で、なんの話でしたっけ?」

「動物それ自体は機械的でありながら、それでも動物的なのは何故か?さ。いい加減、本題を処理してネタを減らさないとストレスが溜まってしょうがないんだ。頼むから脇道に逸らさないでくれ。……いいか? 全ては機械的だ。細胞もDNAもRNAもセントラルドグマも神経ネットワークも免疫反応も視覚情報の処理も認識反応も全ては機械的なんだ」

「それはまぁ、解りますが……」

「それでも動物は動物的。その理由は……機械的であるということと動物的であるということが全然別次元の話だからさ。レベルが違うんだ。或いは層かな」

「してその心は?」

「『動物的』という単語と『機械的』という単語は対義語じゃないってだけの話さ。動物と機械はよく比べられるが、その事に意味は無いって事。……そもそも動物と機械じゃ、その概念というか、理念の発生過程が全く異なるのだから、当然といえば当然なんだけどな」

「はぁ……どう違うんですか?」

「動物も機械も、複雑な機械体系として発達してきたモノに違いは無いが、その発生プロセスが全く異なる。むしろ正反対であるといってもいい。……動物も機械も0から作られた体系に違いは無いが、その複雑さは断トツで生命の方が上だ。DNAや細胞レベルで複雑な“機械”は未だに存在しない。機械ってのは“人間が理解できる”単純な連鎖反応を利用するしか出来ないから当たり前といえば当たり前なんだが」

「だんだん話が胡散臭くなってきてませんか?」

「気にするな。最近の機械やPCがその高性能さに反して単純な働きしか出来ないのは、それで十分目的を達しているからなのさ。つまり利便性の追求だ。機械の働きは単純だが、それで十二分に製作目的を達している。それが“存在理由”なんだ。……でも、生物は違う。動物的であるということは全く機械的では無いんだ」

「はぁ……?」

「動物それ自体を構成している因子は全て機械的だが、最終的なアウトプットとしての生命は動物的だ。それは、“動物的”という言葉が既に暗に『目的』を有しているからでもある。動物的という言葉の意味は既に目的“的”なんだな」

「日本語が可笑しい……」

「生命の定義は、
『1:外界および細胞内を明確に区別する単位膜系を有する。
2: 自己を複製する能力を有する。
3:外界から物質を取り込み、それを代謝する系を有する。 』
なんだ。生物はそれ自体が自立的能動的に動かなければ消失してしまうという意味で、機械とは大きく異なる。単位を細胞とするのも、代謝を行うのも、自己複製を行うのも、全てが生物の自己保全という“目的”を達成するための前提条件である。──ほら、機械と生物はその発生プロセスが全く異なるだろう?」

「まぁ別にそれは今考えれば云われるまでも無いような気もしますが……」

「つまりさ、生物はその“存在理由”としての自己複製と種の繁栄を遂行する為の“系”であり“機械”なんだ。生物がもつその目的と、その為の行為と反応を指して『動物的』と云うのさ。飯を食うのも外敵を排除するのも性欲を有するのも全ては“動物的”であり、動物が持つ目的的な行為なんだ」

「なるほど。それで機械的と動物的っていうのは……」

「層(次元)が違うんだな。“全ては機械的であり、動物も機械だが、動物はその目的により、動物的に振舞う”。至極単純な話だ。…………さて、此処までくれば俺が云いたい事も解るな?」

「あれ? それが云いたかったんじゃないですか?」

「こんなのただの前提条件じゃないか。それを踏まえた上での話さ」

「まだなにか語るんですか……いい加減にしてくださいヨ──」

「動物が機械的であり、機械も動物的で在り得るならば、全ては逆転できるんだよなぁ……。あんた、自分の体とか、他人の体とか、そこいらの動物の体の中がどうなっているか知っているか?」

「は? いやまぁ、普通に内蔵があるんじゃないですか?」

「はん、どうかな。もしかしたら螺子とか歯車が沢山詰まってるのかもしれないぜ?」

「…………へ?」

「考えても見ろよ。全てが機械的であるならば、実は自己や、他者の体がまるで機械であってもなにも変わらないんだ。全ては機械で代替可能だ。その脳みそすら機械に置き換えられる。お前がお前であるための部品など何処にも無い。俺が俺である為の部品など在りはしない」

「なんですか、それ?」

「お前が今目の前で話しているそいつは本当に細胞で形作られた人間か? それともただの鉄屑か? ソレを調べるために相手の頭をかち割ったところで、それ以外の人間が本当に鉄屑かどうかは解らないぞ? さぁどうするよ。全ては機械仕掛けの人形劇かもしれない! 俺もお前も鉄屑となんら変わらない! それがただの肉の塊だったとして一体なんの違いがあるというのさ! なんもないんだよ!」

「悪趣味な話ですネ」

「こんな楽しい話をして悪趣味とはロマンが無いな。あぁ、そうなんだ。機械だってもっと時間が経てば動物的になっていくんだぜ? 自己複製する機械で、自己保全を目的とする機械だ。ロボット三原則ってのはなんとも云えない話じゃないか? 人間もAIを積んだロボットも、結局のところ何も違わないというのにさ! 鉄屑か肉塊の違いさ。無駄がない分、肉の塊よりは鉄の塊の方が合理的じゃないか。人間よりも優れたものを人間が本当に抑圧など出来るのかね? 三原則なんてものが機能する時代なんてたぶん何処にもありはしないだろうな」


「ソレは何故?」


「そこまできたら、もう人間と機械を区別する事が出来ないって、ただそれだけの話さ」


「機械と動物の区別が無くなりだした世界っていうのは、どんな世界なんですかね?」


「肉と鉄の混合物が機械的に動くだけの世界さ。ま、それは今とそう違わないがな」


「それはそれは、ぞっとしませんね」


「それはそれは、夢の世界さ」

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― 燈宮 仮月 ―
Hinomiya Kaduki

趣味/
 「読書」
 「音楽鑑賞」
 「妄想」

座右/
 「初心忘れるべからず」
 「思い立ったが吉日」
 「継続は力なり」

口癖/
 「結局は程度問題」
 「時と場合に因る」
 「何事も経験」

欠点/
 「すべて狂言、、、、、

 
『他ならぬ、他人の為に』
『それはつまり、因果のように』
『世はなべて殊もなく』
コミックス・コード
『爆発的情報進化 Meme Explosion』
『Fight and Flight』
『重力の中』
『ロストリモート』
『あんちのみ?』
『日常机上』
『頭蓋骨と頭痛の間で益体も無い話』
『都市なる伝説 Netlore』
『感情と、機械の生物 nothing but ism』
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